ジャングルを始めたばかりの人ほど、この役割を「モンスターを狩ってキルを取る係」だと思い込みます。画面の中を駆け回ってバフを刈り、隙あらば他レーンに飛び込んでキルを重ねる。確かにそれもジャングラーの仕事の一部です。ところが、狩りとキルだけを追いかけているうちは、なぜか勝ちきれない。理由はシンプルで、ジャングルの本質は「狩り」ではなく「管理」だからです。

五人のなかで、ジャングラーだけがどのレーンにも縛られず、マップ全体を自由に動けます。その自由をどこに使うか。どのレーンを伸ばし、どこで相手の伸びを止め、いつ味方と目標を取りに行くか。試合の主導権、つまりテンポを握って盤面の資源を差配するのがジャングラーです。そしてこの差配は、試合が動き出す最初の数分で、もう始まっています。この記事では、狩りを「目的」から「手段」に置き直して、序盤の数分で試合を動かす回り方の原則を整理します。

Honor of Kings の五レーンとジャングルの位置関係

狩りは目的じゃない、テンポを生む燃料だ

序盤にジャングルモンスターを効率よく回って、レベルと金を稼ぐ。これはジャングラーの基本中の基本です。ただし、それ自体がゴールではありません。狩りで得たレベルと金は、盤面を動かすための燃料にすぎないからです。

ジャングラーが握っているレバーは、大きく四つあります。効率よく狩ってレベルと金を稼ぐこと。ガンクで他レーンを助けること。相手の陣地を荒らすカウンタージャングルで、敵ジャングラーの伸びを止めること。そして処刑(スマイト)で大型中立やバフを確保すること。この四つはどれも「盤面をどう管理するか」という同じ問いの、別々の答えです。狩りが上手い人ではなく、この四つを状況に応じて使い分けられる人が、強いジャングラーなのです。

だから手を動かす前に、一度だけ立ち止まって考えてほしいのです。今この試合で、自分は何を管理しようとしているのか。ただ目の前のキャンプを刈るのか、それとも次の一手のために燃料を溜めているのか。この意識があるかないかで、同じ狩りが意味の違う行動に変わります。

効率ルートは「順番」より「次の一手」から逆算する

効率のいい回り方というと、キャンプを狩る順番の正解を丸暗記することだと思われがちです。けれど本当に大事なのは、順番そのものよりも「狩り終わったあと何をするか」から逆算する発想です。

たとえば序盤にガンクで寄りたいレーンがあるなら、そのレーンに近いキャンプを回りの終盤に置きます。そうすればレベルが乗った瞬間、そのまま隣のレーンへ寄っていける。逆に、寄りたい方向と反対側から狩り始めてしまうと、いざ動きたいときに一番遠い場所にいる、という間の悪いことが起きます。順番は「次に何をしたいか」が決めるのであって、暗記した手順が決めるのではありません。

処刑(スマイト)の使い方も同じ発想です。雑魚の処理で気軽に使い切らず、バフや大型中立の取り合いという「ここぞ」の場面まで温存しておく。中立を横から奪われるかどうかは、この一手を残しているかで決まることが多いからです。なお、モンスターの湧き時間や再出現の間隔、処刑で確保できるラインといった具体的な秒数や数値は、モンスターの種類や版によって変わります。丸暗記するより目安として押さえておけば十分で、細かい出現タイミングはオトモリンバオのマップ・フィールド図鑑で確認できます。

もう一つ、初回の狩りルートは毎回同じにしないこと。判で押したように同じ順路で回ると、相手にこちらの居場所を読まれ、あとで触れるカウンタージャングルの餌食になります。手癖ではなく、その試合の視界と相手の動きに合わせて回る。これも効率ルートの一部です。

レーンへ「寄る」のは、合図が出たとき

ガンクは、寄れば寄るほど得というものではありません。寄るべき合図が出たときに寄るから効くのです。

最初の見せ場は、多くのヒーローでレベル4前後です。レベル4で奥義が解放され、それまで巡回でしかなかった動きが、はじめてキルを取れる動きに変わるからです。そこから先、寄っていい合図はいくつかあります。相手がレーンで前に出過ぎているとき。逃げるスキルや強力な行動を吐いた直後のとき。味方が仕掛けの起点(始動)を作れる状態にあるとき。そして相手に助けが来られない位置取りのとき。逆に、相手が引いて自陣を固く守っているレーンに単独で突っ込んでも、たいてい空振りに終わります。

飛び込む順番も大切です。基本は二番手。味方、あるいは味方の始動役が先に仕掛け、その隙にこちらが低HPの標的へ二の手として入る。単独で先頭を切ってしまうと、たとえ相手に届いても味方の追撃が伴わず、1対1の交換で終わってしまいます。多くのジャングラーに共通する失敗が、この「二番手ではなく先頭で仕掛ける」ことです。

そして忘れてはいけないのが、ガンクの成果はキルだけではないという点です。寄って相手を怯えさせ、レーンから引かせるだけでも、そのレーンの主導権という立派な「管理」の成果になります。キルが取れなくても、相手にリコールを強要できれば、その間に味方が経験値と金の差を広げられる。寄る目的をキルに限定しないほうが、ジャングルはずっと楽になります。

カウンタージャングルは「相手の管理を壊す」一手

自分の盤面を整えるのが管理なら、相手の盤面を崩すのがカウンタージャングルです。相手陣地のキャンプを刈り取って、敵ジャングラーのレベルと金の伸びを遅らせる。こちらが一つ育つ以上に、相手の一つを奪うほうが、二人ぶんの差が開くぶん効くことすらあります。

狙い所は、相手ジャングラーの居場所から逆算します。敵ジャングラーがマップの逆サイドに見えているとき。味方がその相手をレーンに張り付かせて、動けなくしてくれているとき。そして自分が視界を確保できているとき。この条件が揃った瞬間が、相手の陣地に踏み込む合図です。処刑を持って大型中立やバフの取り合いを制すれば、相手にとって一番おいしい資源を横から奪えます。

ただし、荒らしにもリスク管理が要ります。相手の位置が見えないまま敵陣を深追いすれば、それは待ち伏せの格好の餌食です。カウンタージャングルは強気の行動に見えて、実際には「相手がここにいない」と確認できているときにだけ通る、慎重な一手なのです。荒らして得たぶんだけ、相手のテンポは確実に遅れます。

ジャングルは一人で完結しない

どれだけ回り方が上手くても、ジャングラーは一人で試合を決められません。管理する盤面には、必ず味方がいるからです。

寄る前にはピンを出して、レーンと歩調を合わせる。味方のCC持ち、つまり始動役と組めば、二番手の飛び込みが一気に決まりやすくなります。サポートやロームと視界を共有できていれば、安全にカウンタージャングルに行けるし、こちらが待ち伏せに遭う危険も減ります。ジャングラーの動きは、味方の情報と噛み合ってはじめて最大の効果を出すのです。

中盤以降になると、見せ場はさらに大きくなります。序盤から中盤にかけて出現する強力な中立目標、いわゆるダークなどの大型モンスターを、味方と一緒に取りに行く場面です。これらの目標は出現のタイミングも強さも試合状況によって変わるので、正確なところはアプリやゲーム内で確認しつつ、原則だけ押さえておけば十分です。味方が集まれるタイミングで、視界を先に作ってから取りに行く。単独で焦って手を出さない。この段取りは、序盤のガンクと同じ「合図が出てから動く」の延長線上にあります。

なお、ここまでの原則はどのジャングラーにも共通しますが、いつ強くなるか、どのレーンを助けやすいかはヒーローごとに違います。自分の相棒がどの時間帯に輝き、どんな立ち回りに向くかは、ジャングル向きのヒーローを図鑑で見比べて選ぶのがいちばんの近道です。

まとめ

ジャングルで勝ちきれないときは、たいてい「狩り」を目的にしてしまっています。狩りはあくまで燃料で、目的はその燃料を使って盤面を管理すること。効率よく回ってレベルと金を稼ぎ、合図が出たらガンクでレーンを助け、隙があればカウンタージャングルで相手を荒らし、処刑で中立を確保する。この四つのレバーを、試合状況に応じて握り替えていくのがジャングラーの仕事です。

最初の数分で「今日はどのレーンを伸ばし、どこで相手を止めるか」を決め、その計画から逆算して回る。そうやって盤面を管理していれば、キルはあとから結果としてついてきます。自分に合う一体を見つけるところから始めたいなら、オトモリンバオのヒーロー図鑑で強み時期や立ち回りを見比べてみてください。狩りの上手さより、管理の視点が、あなたのソロランクを一段押し上げてくれるはずです。