危険とルール図鑑 | オトモネイチャー

ウミケムシは、白い剛毛が皮膚に刺さり長引くかゆみを起こす

ウミケムシ
写真: 不明 / CC BY-SA 2.5(Wikimedia Commons)

見分け方

ゴカイに近い多毛類の仲間で、体長10cm前後の細長い生き物です。体の側面に白く輝く剛毛が房状に並び、ふだんは後ろへ寝かせていますが、刺激を受けるとパッと逆立てて広げます。静岡県水産・海洋技術研究所によると、本州の暖かい海の岩の隙間に隠れていることが多く、宇久井ビジターセンターは、砂地でキス釣りをしていても稀に掛かると説明します。見た目が地味なため、初心者はゴカイの一種と思って気軽に触ってしまうことがあります。

危険・注意

剛毛の中には毒液があり、皮膚に刺さって折れると毒が注入されます。慶應義塾大学のチームが近縁種(Eurythoe complanata)を調べた2008年の論文は、毒成分コンプラニンに炎症を起こす作用があると報告しました。宇久井ビジターセンターによると、刺されると痛痒くなり、腫れと痛みは1日ほど、かゆみは数週間続くこともあります。掻きむしると悪化しやすいため、触れないことが何より重要です。

対処

サビキのハリを回収する際、見慣れない虫状のものには素手で触れないでください。プライヤーでハリスごとつまんで海に落とします。刺された場合はガムテープなどの粘着テープを患部に貼って剥がし、残った毛を取り除いて流水で洗い流します。米陸軍のレンジャー部隊向け医療マニュアルは、息苦しさや広がるむくみ、意識がもうろうとする症状が出たらただちに受診するよう示し、そうした症状が24時間出なければ急いで受診しなくてよいともしています。

出典

  1. 資料 宇久井ビジターセンター(吉野熊野国立公園) ウミケムシ類
  2. 公的機関 静岡県水産・海洋技術研究所 伊豆分場 ウミケムシ
  3. 論文・英語 Nakamura K, Tachikawa Y, Kitamura M, Ohno O, Suganuma M, Uemura D(2008) Complanine, an inflammation-inducing substance isolated from the marine fireworm Eurythoe complanata
  4. 資料・英語 75th Ranger Regiment(2025) 2025 Ranger Medic Handbook