自然・危険生物図鑑 | オトモネイチャー

トリカブトは、春の若葉が山菜に紛れる猛毒の植物。

トリカブト
写真: 不明 / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

見分け方

山地の湿った林床や沢沿いに生え、夏から秋に青紫色の兜のような花を咲かせます。英語名のモンクスフッドとウルフスベーンは同じこの植物だと、SciShow は説明しています。危ないのは花のない春で、手のひら状に深く切れ込んだ若葉がヨモギやニリンソウ、モミジガサと似た姿で同じ斜面に混ざって出てきます。国内には三十種ほどが自生し、葉の形にも幅があります。地下の塊根は、加工して漢方の生薬「附子」や「烏頭」になります。

ヨモギ
ヨモギ写真: Qwert1234 / CC BY-SA 3.0

危険・注意

根だけでなく葉や花まで全草にアコニチンを含み、ごく少量でも命に関わります。国立医薬品食品衛生研究所は、致死量をアコニチン2〜6mgとしています。食べると数分から数十分で口や舌のしびれが始まり、手足のしびれ、吐き気、脈の乱れと進んで、重症では呼吸ができなくなります。カナダで2025年に報告された集団中毒では、表示を誤った香辛料で11人が受診し、その7割以上に治まりにくい不整脈が出ています。

出会ったら

ニリンソウを摘むなら春に白い花がついている株からたどって採り、葉だけの株には手を出さないのが確実です。地下もニリンソウは横に這う根茎、トリカブトは紡錘形にふくらんだ塊根と違いますが、掘って確かめるよりトリカブトが混じる斜面ではヨモギもニリンソウも摘まないほうが安全です。口にしてしまったらすぐ119番へ連絡し、食べ残しや同じ株を持って受診してください。汁が傷口に入っても吸収されるため、素手で扱わないことです。

解説動画

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ぐっち先生

の解説動画

ニリンソウとトリカブトを見分ける3つの違い

概要

山菜として食べるニリンソウと猛毒のトリカブトを実際に掘り上げ、並べて3つの違いを示す講義。葉はよく似ていて紛らわしいが、トリカブトの根にはヒグマも倒すと言われるほど強い毒がある。かつて熊猟で矢尻の先に塗って仕留めたのがこの毒だと紹介している。

違い1 根の形

掘り上げて並べると、トリカブトの根には球根のようなふくらみがあり、ここに極めて強力な毒を含んでいる。ニリンソウの根は細い根が伸びるだけで、こうしたふくらみを持たない。葉だけで迷ったら根まで掘って確かめると違いははっきり分かると、両者の根を並べて見せている。

違い2 太い茎の有無

トリカブトには必ず太い茎が立ち上がり、それが伸びた先に花が咲く。ニリンソウにはこの太い茎がないので、葉の形が似ていても株全体の作りを見れば区別できる。掘った株を並べると、根と合わせて違いがひと目で分かるとしている。

違い3 花の色と時期

ニリンソウは春に白い花を咲かせ、名前のとおり花が2つ付く。トリカブトの花が咲くのは秋で、非常に青くきれいな花になる。花が咲いていれば確実に区別が付くため、採取するのは花が咲いてからにするのがよいとすすめている。

ニリンソウの食べ方

ニリンソウは普通にゆでておひたしにして食べればおいしい。特に強い癖があるわけではなく、サクサクした歯ざわりを楽しむ山菜だとしている。またアイヌの人たちは乾燥させたものを肉などの煮込みに使うといい、生のものとは違う香りが出て美味しいと読んだことがあるので、いつか試してみたいと話している。

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出典

  1. 公的機関 国立医薬品食品衛生研究所 生化学部(2023) トリカブト(植物性自然毒データベース MushPlant Data Base)
  2. 論文・英語 Kent JT, Sathya A, Juurlink DN, Austin E, Simone D, Fernandes J, Gollob MH, Thompson M(Clinical Toxicology)(2025) Mass aconite poisoning from a mislabelled spice product
  3. 動画・英語 SciShow The Top 10 Deadliest Plants (They Can Kill You!)

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