オトモファーム 肥料・資材図鑑

化成肥料(肥料)

チッ素・リン酸・カリを配合した粒状の肥料。元肥にも追肥にも使える基本の1つ。 使い方:袋裏のN-P-Kを見て選ぶ。元肥は植え付け前に土に混ぜ、追肥は株元や畝の肩にまく。

解説動画: 追肥のやり方 種類・量・タイミング・場所 化成or有機?/鈴木農園TV

追肥に化成肥料が向く理由: 化成肥料は粒状で、水に溶けて根から吸収される速効性の肥料で、効果が早く現れる。

一方の有機肥料は土の中の微生物に一度分解されてから吸収されるので効き始めが遅い。すぐに効かせたい追肥には、効きの早い化成肥料が向いている。

おすすめの種類(オール8・NK化成・単肥): 家庭菜園の追肥で最もおすすめは化成肥料の「オール8(8-8-8)」で、窒素・リン酸・カリが各8%入っている。14-14-14などの高度化成は濃度が高く加減が難しいため、濃度の低いオール8のほうが失敗が少ない。

コストを抑えたい人やたくさん作る人にはNK化成(窒素とカリのみ)が経済的。リン酸は土の中で動きにくく吸収されにくいので元肥で入れておき、追肥は窒素とカリだけで足りるという考え方(慣行栽培の施肥指標でも追肥は窒素・カリが基本)。

単肥では硫安・尿素(窒素20〜40%)が安いものの、高濃度で扱いづらい。

量とタイミング: 目安は1握り約30〜40gを1平米あたり。最初の追肥は植え付けから2週間〜1ヶ月後、その後は2週間に1回のペースで施す。

作物によって吸収パターンが違い、こまつな・ほうれんそうなど栽培期間の短いものは追肥不要、キャベツ・はくさい・トマト・なす・ピーマンなどは定期的に、たまねぎ・じゃがいも・にんにくは後半に肥料を効かせないほうがよい。

下葉が枯れかけて色が変わってきたら肥料切れのサイン。

撒く場所と注意点: 肥料は根の先(産毛の部分)から吸収されるので、株が育ってきたら株元ではなく畝際に撒く。撒いた後にクワなどで軽く土と混ぜると、雨で流れるのを防げて効きが良くなる。

キャベツなど結球する野菜は、芯の中に肥料が入ると肥料焼けで傷むので入れないよう注意する。

解説動画: Chemical fertilizers and organic fertilizers have different effects and duration. Use them approp.../三和農園

化成肥料とは・数字の見方: 化成肥料は化学的に生成された肥料で、鶏ふんなどの有機肥料の対極にあるもの。

袋に大きく書かれた数字が成分の割合を示し、14-14-14なら「オール14」、888なら「オール8」。数字は左から窒素・リン酸・カリの含有量(%)を表す。

三大要素の役割: 窒素は葉を大きくする「葉肥」で葉物向き、リン酸は実を付ける「実肥」でトマトなど果菜向き、カリは根を大きくする「根肥」でだいこんなどに大切。この窒素・リン酸・カリの三大要素はどの野菜にも必須。

ただし化成肥料の三成分だけではマグネシウムとカルシウムが不足するので、五大要素として苦土石灰などで補うとよい。

オール8とオール14の使い分け: オール8は成分が少なく入れすぎてもさほど影響が出ないため使いやすく、家庭菜園向き。

オール14は効果が強く、施す頻度を減らせるので農家に多く使われる。

速効性と使い方: 化成肥料は土に撒くと2〜3日ですぐ効くが長続きしないため、2週間に1回ほど追肥する必要がある。ただし溶けて初めて効くので、雨や水やりがないと粒のままで効かない。

有機肥料(京風など)は効き始めは遅いが効果が長く続くので、京風で肥料のベースを上げておき、そこに化成肥料で調整すると管理しやすい。

なお液体肥料は化成肥料よりさらに速く効き、葉面散布はもっと速いが、根から吸う成分と葉から吸う成分は違うため、化成肥料を水に溶かして葉にかけても吸収されない。

解説動画: [Soil Preparation] Lime, Compost, and Fertilizer - A Must-See for Beginners - We've explained lim.../yamakana farm やまかなふぁーむ

土作りでの化成肥料の使い方: 土作りの仕上げに化成肥料を1平米あたり約100gを目安にまき、窒素・リン酸・カリという生育に必要な三大要素を土に加える。

石灰・堆肥と同時に混ぜ込んだ場合は、堆肥や肥料が根に直接当たると良くないので、1〜2週間ほど土になじませてから作付けする。

連用の注意: 化成肥料を使い続けると土が固くなり、障害が出やすくなる。その場合は有機肥料も合わせて与えるとよい。

解説動画(海外・英語): Plant Nutrition 101: All Plant Nutrients and Deficiencies Explained/Epic Gardening

N-P-Kの数字が意味するもの: Epic Gardening の植物栄養の回。まず袋に書かれた3つの数字は、それぞれ窒素・リン酸・カリの重量%。だから「10-10-10」を100ポンド買うのと、「5-5-5」を200ポンド買うのは、含まれる成分量として完全に同じ。数字の大きさだけを見て「濃いほうが得」と考えるのは間違いのもとで、成分量=濃度×量で比べる。

窒素:葉と成長。不足すると全体が薄い緑になる: 窒素は力強い成長・濃い緑の葉・光合成の多くの過程に関わる、いわば大黒柱。不足すると株全体が薄い緑色になるのが典型的な症状。葉や茎そのものを収穫する作物(芝、小麦、燕麦、葉物野菜、ベビーリーフなど)は窒素を多く必要とするので、窒素狙いなら1つ目の数字が大きいものを選ぶ。芝用の肥料が「30-0-0」のような配合なのはそのため(芝はほぼ全部が葉だから)。

リン酸とカリ:症状の出方が違う: リン酸は根の成長と発達に使われる。与えると花付きが良くなり、果実の色付き・熟しが良くなる。球根植物や多年草、樹木・低木にも重要。不足の症状は、トマトの葉が紫がかった赤い色を帯びること。カリは株全体の健康と強さを底上げする栄養で、温度の調節に関わり、極端な暑さ寒さに耐える力と、病気への抵抗力を助ける。不足の症状は、葉の外周から内側へ向かって黄変が進むこと。多くの土にはカリがある程度あるので、3つ目の数字は1つ目2つ目より小さいことが多い。

肥料はN-P-Kだけではない/過剰もある: 作者が繰り返すのが肥料をN-P-Kだけで捉えるのは浅いという点。植物が必要とする元素は窒素・リン・カリ・カルシウム・マグネシウム・硫黄・塩素・銅・鉄・ホウ素・モリブデン・亜鉛・炭素・水素・酸素と多く、全部の細部を知る必要はないが、基礎を押さえておくと「うちの株に何が足りないのか」を考えられる。もう一つ重要なのが欠乏があるということは、過剰もあるということ。栄養は多すぎても害になる(ビタミンと同じ、というたとえ)。だからまず土壌診断で今の土に何が入っているかを知り、そのうえで足りないものを足す。カルシウムについては若い根や新しい芽など、生育初期に重要で、細胞壁を作るのに使われるので欠乏は新しい葉に先に出る。

苦土石灰(土・用土)

酸性に傾いた土を中和し、苦土(マグネシウム)も補える石灰資材。 使い方:植え付けの2週間ほど前に1㎡あたり100g前後を土に混ぜてなじませる。

解説動画: 【5分でわかる】苦土石灰のまき方 ~狭い庭で家庭菜園~/みどりふぉLABO

なぜ苦土石灰をまくのか: 苦土石灰は、酸性に傾いた土を中和し、野菜に合ったpHに戻すためにまく。土が酸性のままだと、土中のアルミニウムが溶け出して根を傷める、根がリン酸を吸収しにくくなる、病気も発生しやすくなる、といった弊害がある。

ただし元々pHが整っていればまく必要はない。時間に追われるときは、pH調整に手間をかけるより種まき・植え付けの時期を逃さない方を優先してよい。

pHの目安と測定: pH7が中性で、それより下が酸性、上がアルカリ性。家庭菜園の野菜は6〜6.5が適正のことが多く、ほうれんそうのように中性寄り(6.5〜7)を好むものもある。

まく前に土壌酸度計(デジタルタイプが便利)を土に差して測る。動画ではほうれんそうを植える区画がpH6だったため、適正の6.5〜7に近づけるよう0.5ほど上げる方針にしている。

まく量の目安: 苦土石灰は1平方メートルあたり100gでpHが約1上がるのが目安。0.5上げたいなら1平方メートルあたり約50g。

人のひと掴みは約30〜40gなので、それを基準にすると量りやすい。50gは幅50cm×2mほどの範囲にパラパラとまくイメージ。

まいた後の手順: まいたらクワやスコップで土としっかり混ぜ込み、植え付けまで大体2週間ほど置くのが一般的。

解説動画: This is where it all makes a difference! A complete guide to using the best lime to grow deliciou.../庭なし家庭菜園!ポコずチャンネル

苦土石灰の特徴: 主成分は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムで、比較的ゆっくり効くのが特徴。

家庭菜園で最も一般的に使われる石灰の一つで、取り扱いも比較的やさしく、農家はもちろん初心者にもおすすめできる。

「苦土」=マグネシウムの働き: 苦土石灰の「苦土」とはマグネシウム成分のこと。マグネシウムは植物が光合成をするための葉緑素をつくるのに欠かせない成分で、不足すると葉が(株元の方から)黄色くなって枯れてくる。

苦土石灰は土壌pHを調整しながら、この必要なマグネシウムも同時に補給できるのが利点。

使い方・量の目安: 植え付けの最低1週間前には土に施し、1平方メートルあたり約150gをまいて土とよく混ぜ合わせる。

pHを0.5上げるのに必要な量は、苦土石灰で1平方メートルあたり100〜200gほどが目安。最終的には製品パッケージの表示を確認して使う。参考までに、100gは大人の手で大盛りひと掴みくらい。

まきすぎ注意: 良いからといって石灰をまきすぎると、かえって生育に悪影響が出て逆効果になる。適量を守ることが大切。

解説動画: Plants will thrive with the supernatant of dolomite lime! A simple fertilizer technique that even.../前田ファーム-MAEDA FARM

概要(苦土石灰の上澄み液): 苦土石灰はおなじみの土壌改良剤だが、水に溶かした「上澄み液」を使うことで植物をさらに元気にできる。手軽で効果的な補助肥料テクニック。

上澄み液の作り方: 2Lのペットボトルに苦土石灰を30cc(大さじ約2杯)入れ、水を注いで一晩置く。白く濁った液が透明になれば使える。

多く使いたい場合は、ポリバケツに40Lの水+苦土石灰600ccで作る。苦土石灰は水1Lに約0.005gしか溶けないので、液が減ったら水を足すだけで何回でも繰り返し使える。

使い方: 使うときは上澄み液を約100倍に薄めて与える。

効果: 水に溶けたカルシウムとマグネシウムを補給できる。根の周りの土を団粒構造にして根の発育を促す。

さらに土壌の病原菌の繁殖を抑え、うどんこ病・べと病・炭疽病などから植物を守る働きもある。

解説動画: 石灰の使い分け方【消石灰・苦土石灰・有機石灰】各石灰の特徴や必要な量について/鈴木農園TV

特徴とおすすめ理由: 苦土石灰は一番使いやすく、投稿者の一押し。カルシウムに加えてマグネシウムを含むのが強みで、マグネシウムは植物の酵素を活性化し、リン酸の吸収を助ける(植物の三大栄養素の一つ)。

実がつく野菜(なす・トマト・ピーマンなど)にリン酸が重要になる時期は特におすすめ。アルカリ分は53%で消石灰よりやや低く、効きは比較的ゆっくり。そのため堆肥や元肥と混ぜても障害が出にくく扱いやすい(厳密には混ぜない方がよい)。

まく量の目安: 基本は1平方メートルあたり100gが目安。土壌酸度(pH)を1.0上げるのに苦土石灰で約100g/平方メートルが目安になる。

作物が育つpHは5.5〜6.5が目安で、たいていの野菜はこの範囲で育つ(酸性を好む作物は作物に合わせて調整)。まいた後は念のため2週間ほど置くと安心。

まきすぎ注意: やりすぎると逆に育たなくなる。石灰類は多くても1平方メートルあたり300g程度に抑える。

カルシウムが過剰になると、土の中のカルシウム・マグネシウム・カリウムの比率(バランス)が崩れ、肥料の吸収率が落ちてしまう。畑が酸性に傾いていても、カルシウムのやりすぎには注意する。

堆肥(土・用土)

落ち葉や家畜ふんを発酵させた土壌改良材。土をふかふかにし微生物を増やす。 使い方:完熟したものを植え付け前に土に混ぜ込む。未熟なものは根を傷めるので避ける。

解説動画: 牛糞堆肥ってどんな肥料?家庭菜園や農園で堆肥基本の使い方!牛糞堆肥の効果や考え方、適した野菜などを徹底解説!【農家直伝】/農家直伝!家庭菜園らいふ

牛糞堆肥とは: 牛の糞に稲わらやおがくずを混ぜて発酵させたもの。窒素・リン酸・カリの3要素をバランスよく含むが、含有量は鶏ふんの半分以下で、肥料というより土壌改良材として位置づける。

土壌改良には牛糞堆肥、肥料効果を狙うなら鶏ふん、と使い分けるのが一般的。鶏ふんは乾燥させただけでアンモニア臭が残るのに対し、完熟した牛糞堆肥は糞が完全に発酵・変質しているため臭いはほとんどない。

効果と考え方: 土をふかふかの肥沃な状態に改良し、微生物を活性化させて、水もちのよい野菜栽培向けの土へ導く。

ただし一度使っただけで畑の土が大きく変わるわけではなく、毎年根気よく使い続けることで団粒化が進み少しずつ良くなる。効き方は鶏ふんよりもっとじっくり長く続くタイプ。

完熟の見分け方と注意: 未完熟のものは土中で発酵・分解が進み、その熱で作物の根を傷める可能性がある。完熟かどうかは色・匂い・粒子の細かさで判断する。

ホームセンターで「完熟」と表示されたものを選べば安心。牛糞の種類によって窒素・リン酸などの成分値が違う商品があるので、購入時に表示を確認するとよい。

向く野菜・向かない野菜: 生育期間が長いナス科(なす・トマトなど)に有効。ほうれんそうもゆっくり育って甘く収穫でき、鶏ふんや化成肥料と違ってえぐみが出にくい。

一方、じゃがいもやさつまいもは入れすぎるとつるボケして茎葉ばかり伸び、芋がつかなかったり小さくなったりするので控えめにする。

使い方: 畑全体・畝全体に均等にまく。量は1平米あたり3kg程度で十分。

すき込むときは上から叩き入れるイメージでなるべく深く入れ込む。堆肥に限らず肥料でも同様に、均等にまくのがポイント。

解説動画: 牛ふん堆肥の使い方を基礎から学ぶ!家庭菜園で使うポイントと注意点│モリミサと学ぶ有機栽培/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

牛ふん堆肥とは: 牛の糞に稲わら・もみ殻・おがくずなど植物性の資材を加えて発酵させた資材。生の牛糞は水分が多くベタついて臭いもきついが、完熟発酵させると黒っぽくサラサラになり匂いもほとんどない。

ホームセンターや農業資材店で一般の人でも購入できる。

堆肥の効果(3つ): 堆肥は肥料ではなく、土作り・土壌改良のために使う資材。効果は大きく3つで、(1)土がふかふかになり植物が根を伸ばしやすくなる、(2)有機物の塊なので土壌中の微生物が活発になり元気になる、(3)牛ふん堆肥など一部の堆肥は少しだけ肥料成分を含む。

堆肥には動物性の馬糞堆肥・鶏ふん堆肥のほか、植物性のバーク堆肥や腐葉土などもある。

牛ふん堆肥の特徴: バーク堆肥などの植物性堆肥より少しだけ肥料成分を多く含み、土作りの効果に加えて肥料効果も持つ。バーク堆肥に比べて安価で購入でき、家庭菜園でも使いやすい。

デメリットと注意: 牛の糞が原料なので、完熟していないものには雑草の種子や病原菌が含まれる可能性がある。使うときはしっかり完熟発酵したものを選ぶ。

未熟なものは匂いもするので、ベランダ栽培などでは特に注意が必要。

使い方(量・タイミング・まき方): 量は1平米あたり1〜3kg程度。畑に入れるタイミングは、苗や種を植え付ける1ヶ月〜2週間前。

植え付け直前に入れると、未熟部分が土中で発酵して熱を持ったり有害なガスを出したりして根を傷めるため、遅くとも2週間前に入れて耕し、土に馴染ませておく。

まき方は畑全面にむらなく均一に散布する全面施肥で、その後15cmくらいの深さを目安に耕して土としっかり混ぜ馴染ませる。完熟でふかふか・無臭のものを選び、入れすぎないようにする。

解説動画: 土作りの手順 堆肥・石灰・肥料入れる順番/鈴木農園TV

堆肥を入れる理由: 堆肥は土をふかふかにするために入れる。堆肥(有機物)は土中の微生物の餌になり、その微生物が働くことで土がふかふかになる。人力ではなく微生物が土を耕してくれるイメージ。

堆肥は1年で約10分の1の量まで減るので、毎年の土作りのたびに入れることで土がどんどんふかふかになっていく。

入れる順番(石灰→堆肥→肥料): 堆肥は石灰の次、2番目に入れる。堆肥にも窒素が含まれており、石灰と同時に入れると窒素が石灰と反応してガスとして抜けてしまう。そのため先に石灰を入れて土に馴染ませてから堆肥を入れる。

石灰と堆肥の順を逆にする人もいてそれでも構わないが、石灰窒素など微生物を弱らせるタイプの石灰を使う場合は、せっかく堆肥で増やした微生物が死んでしまうので石灰を先に済ませておくのが無難。

堆肥後にあける期間: 堆肥を入れてから植え付け・種まきまでは2週間〜1ヶ月あける。未熟な堆肥は土に馴染むのに時間(2週間〜1ヶ月)がかかり、先に肥料と一緒に入れるとその間に肥料分が抜けてしまうことがある。

だから先に堆肥を入れて土を作り馴染ませてから肥料を入れる。使うのは完熟堆肥で、未熟な堆肥は使わない。

微生物資材との併用: カルスなどの微生物資材は、堆肥や肥料(元肥)と同じタイミングで一緒に入れるとよい。微生物が堆肥などの有機物を分解する際に窒素とエネルギーが必要になるため、肥料や分解対象の堆肥と一緒にまくのがベスト。

解説動画: バーク堆肥の使い方を基礎から学ぶ!家庭菜園で使うポイントと注意点│モリミサと学ぶ有機栽培/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

バーク堆肥とは: バークは英語で樹皮(木の皮)のこと。伐採した樹木の樹皮を細かく砕き、米ぬかや鶏ふんなど窒素成分を含む有機物を混ぜて発酵させたもの。

通気性があり比較的荒い質感で、肥料分はほとんどなく土壌改良を主目的に使う。種や苗を植えた後ではなく、植える前に畑に入れる。

堆肥の効果(3つ): 堆肥は基本的に土作りのために使う資材。効果は大きく3つで、(1)土が物理的にふかふかになる、(2)有機物の塊なので土壌中の微生物が活発に元気に活動する、(3)バーク堆肥は肥料分をほとんど含まないが、肥料分を含む堆肥もあり、その場合は畑に少し肥料分を入れる効果もある。

堆肥にはバーク堆肥のほか牛ふん堆肥・腐葉土・粉末鶏ふん堆肥などいろいろな種類があり、特徴を理解して使い分けるとよい。

バーク堆肥の特徴: 質感が荒めで通気性があり、土を軽くして通気性を向上させるのに非常に適した資材。カチカチに硬い畑、粘土質の畑、砂っぽい畑への投入がおすすめ。

匂いもほとんどなくどんな場所でも使いやすい。反面、肥料成分はほとんどないので、他の肥料と組み合わせて使うとよい。

使い方(量・タイミング・まき方): 量は1平米あたり1〜3kg程度。苗や種を植え付ける1ヶ月〜2週間前に投入する。

直前に入れると未熟部分が土中で発酵して熱を持ったり有害なガスを出したりして根を傷めるため、遅くとも2週間前に入れて耕し、土に馴染ませておく。

まき方は畑全面にむらなく均一に散布する全面施肥で、その後15cmくらいの深さを目安に耕して土と混ぜ馴染ませる。

解説動画: [Soil Preparation] Lime, Compost, and Fertilizer - A Must-See for Beginners/yamakana farm やまかなふぁーむ

堆肥を混ぜる理由: 土作りの基礎となるのは石灰・堆肥・肥料の3つで、これらを土に混ぜ込む。そのうち堆肥は土壌改良のため=土をふかふかにさせる目的で入れる。

量と選び方: 堆肥は1平米あたり3kgを目安に混ぜ込む。未熟のものではなく、できるだけ完熟タイプ(十分に熟したもの)をまくほうがよい。

植え付けまでの注意: 有機石灰だけならすぐに作付けできるが、堆肥と肥料を同時に混ぜ込む場合は、堆肥や肥料が直接作物の根に当たると良くないため、土に馴染むまで1〜2週間ほど置いてから作付けを始める。

解説動画(海外・英語): How to make Compost - The Simplest Easy Method To Compost Piles!/Growit Buildit

堆肥の材料は4つだけ: アメリカの菜園チャンネルによる、できるだけ単純に済ませる堆肥の作り方。ネット上では新規の人が難しい話を浴びせられがちだが、必要なのは4つだけ、という立場。窒素源になる「グリーン(緑・生の材料)」、炭素源になる「ブラウン(紙・段ボールのような茶色い材料)」、水(湿っているが、びしょ濡れではない状態)、そして空気。この4つで分解する細菌が働き出す。

何を入れるか、何を入れないか: グリーンは植物由来の生ごみならほぼ何でもよい(りんごの芯、バナナの皮など)。芝の刈りかすは、早く熱を上げるという意味で最良のグリーン。コーヒーかすもよく使われる。卵の殻やエビの殻は入れてよい(中身は駄目)。ブラウンは新聞紙・普通の段ボール(塗装やテープ、シールが付いていないもの)・おがくず・落ち葉。作者はおがくずは最初から表面積が大きいので特に良いと言っている。入れないものは光沢のある段ボールやチラシ(分解しにくく、何が塗ってあるか分からない)と、肉・チーズなど植物由来でないもの(分解はするが時間がかかり、アライグマなどを呼ぶ)。

山を3つに分けて回す: 作者は地面の上に直接、3つの山を作って回している。1つ目は今まさに足していく山(台所のバケツが一杯になるたびに出す)。2つ目は完成して使える山。3つ目はあと少しの山で、ミミズに任せて週1回だけ切り返す。地面に直に置くことを勧める理由はミミズが自分で見つけて入ってきて、熱が上がっていない時期でも分解を進めてくれるから。

積み方:層にしてから、混ぜる: 作り方はブラウン、グリーン、ブラウン、グリーン…と層にして積む。ただし作者は層のまま放置せず、積みながら混ぜていく。「分けておくためのものではなく、混ざるためのものだから」という理由。おがくずや段ボールは乾いているので、途中で水を足す必要がある。この動画では台所の生ごみ約9.5リットル(2.5米ガロン)と、前日に刈った芝の刈りかす、Amazonの梱包紙を細く裂いたもの、おがくずで1つの山を新しく立てている。

培養土(土・用土)

プランター栽培向けに、用土・肥料・pHを調整済みの配合土。 使い方:袋を開けてそのまま鉢やプランターに使える。元肥入りなら初期の追肥は不要。

解説動画: 園芸土の選び方|知っておきたい培養土の種類|土作り|培養土とは初心者向けに簡単にお伝えします【カインズ】/カインズ公式チャンネル

園芸用土の3分類と培養土の位置づけ: 園芸用の土は大きく「基本用土」「培養土」「土壌改良土」の3つに分けられる。基本用土(黒土・赤玉土など)はそれぞれ特性が違い、育てる植物に合わせて数種類を配合して使う土台になるが、自分で配合するのは初心者にはハードルが高い。

培養土はその基本用土を3種類以上あらかじめ混ぜた「そのまま使える土」で、調味料に例えるなら合わせ調味料にあたる。混ぜる手間がなく、初心者に一番おすすめできる土。

花用・野菜用の培養土: 培養土には用途別のものがあり、花用の培養土は花を育てるため、野菜用の培養土は野菜を育てるために配合されている。多くの野菜や花に適した配合になっていて、野菜用の培養土ならおよそ6割の野菜がこれ一つで育てられる。

パッケージに用途が分かりやすく書かれているので、初心者でも迷わず選べる。

植物ごとの専用土への枝分かれ: 培養土はさらに植物ごとの専用土に枝分かれする。例えばいちご用の土や、酸性の土でないとよく育たないブルーベリー用の土など、その植物が育った環境に近い配合になっている。

専用土を選べば初心者でも失敗しにくい。店頭にない植物でも、店員に相談すれば代わりに使える土を教えてもらえる。

培養土でトマトを植える手順: 培養土を使ったプランターへのトマトの植え付け。まずプランターに培養土を入れ、植える前に鉢底から水が見えるくらいたっぷり水を与える。

株の中心に苗を置き、苗の大きさ分だけ土を掘って植え付ける。トマトは背が高くなるので支柱を立てて苗と紐で結び、最後に軽く水やりして完成。

解説動画: 【賢者の土選び】絶対覚え欲しい土の種類と使い方教えます      【カーメン君】【園芸】【ガーデニング】【初心者】/「カーメン君」ガーデンチャンネル

培養土とは/専用土との関係: 今の園芸ではそのまま使える培養土が主流。培養土はいろいろな材料を集めて配合した土で、チャーハンに例えると具材入りのチャーハンにあたる。

バラの土・ブルーベリーの土・野菜の土といった専用土も、それぞれの植物に合わせて用土(具材)を配合した培養土の一種。専用土は手軽だが、その植物のためだけに買うと余ったり微妙に足りなくなったりしやすい。

基本用土から培養土を自作する: 基本用土をそろえれば、自分好みの培養土を1から作れる。その基礎になるのが赤玉土で、排水性・保水性・通気性・保肥力をバランスよく併せ持つ万能な土。

赤玉土を5〜7割にして他の用土をブレンドすると、植物がオールマイティに育つ培養土が簡単に作れる。ただし赤玉土は栄養分がゼロなので、単体では育たず堆肥などと組み合わせる必要がある。ここで組み合わせる土が堆肥。

市販の培養土に赤玉土を足す: 市販の培養土に赤玉土を混ぜると、保水性・排水性・通気性が上がり、肥料を水と一緒に流さず捕まえてくれるので保肥力も高まる。

草花なら小粒を1〜2割(最大でも3割まで)。鉢が大きくなる樹木系は中粒を2〜3割入れると株が安定して倒れにくくなる。赤玉土は無肥料である点と、入れすぎると根腐れしやすい点に注意。

排水性・保水性・酸度の微調整: 培養土の性質は他の資材で微調整できる。排水性を上げて乾きやすくしたいときは鹿沼土・軽石・パーライトを2〜3割ほど混ぜると、乾燥を好む植物や多肉に向く(入れすぎると乾きすぎ、肥料も流れやすくなる)。

逆に保水性を上げたいときはピートモスやバーミキュライトを少量加える。酸性を好むブルーベリーなどには、酸性の鹿沼土やピートモスを多めに混ぜて培養土の酸度を上げてやるとよい。

腐葉土(土・用土)

広葉樹の落ち葉が分解した改良材。通気性・保水性を高める。 使い方:土に2〜3割混ぜて団粒構造をつくる。鉢土の改良にも使う。

解説動画: 腐葉土の使い方を基礎から学ぶ!家庭菜園で使うポイントと注意点│モリミサと学ぶ有機栽培/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

腐葉土とは: 落ち葉を大量に積んで発酵させた資材。市販品には米ぬかや油かすを混ぜて発酵期間を短縮したものもあり、それらは「落ち葉堆肥」とも呼ばれる。

細かく比較的均一な質感で、肥料分はほとんどなく主に土壌改良のために使う。種や苗を植えた後ではなく、植え付け前の畑に入れておく資材。

効果と特徴: カチカチの畑・粘土質・砂質など、どんな土質にも入れて土壌改良効果を発揮する。土を物理的にふかふかにして根を張りやすくし、有機物として土壌微生物の餌になり微生物を活発にする。

匂いが少なく使いやすく、大量に入れても問題ない。似た植物性のバーク堆肥と比べると少しだけ窒素成分を含み、きめが細かいため水分や肥料を保つ力に優れる。落葉樹の葉があれば家庭でも半年〜1年ほどの発酵で比較的簡単に作れ、分解されやすく扱いやすい。

使い方(量とタイミング): 投入量の目安は1平米あたり2〜3kg(多めに入れても問題ない)。植え付けの1ヶ月〜2週間前までに投入する。

植え付け直前に入れると未熟な部分が土中で発酵して熱や有害ガスを出し、根を傷める恐れがあるため。畑全面に均一に撒き(全面施用)、15cmほどの深さで耕して土とよく混ぜ、馴染ませておく。

注意点: 肥料分はほとんど含まないため、肥料効果が必要な場合は他の肥料と組み合わせて使う。

解説動画: 家庭菜園や農園栽培の土作りで使いたい王道肥料!腐葉土の役割と正しい使い方!夏野菜栽培前の土壌改善に!/農家直伝!家庭菜園らいふ

役割・効果: 腐葉土は微生物に分解されて植物の栄養になり、微生物を豊かにすることで土壌改良効果を発揮する。窒素0.8%・カリ0.7%ほどなど肥料成分はごく微量で、主に微生物の栄養として働く。

葉や枝の形が残っていることで土に混ぜると隙間ができ、通気性・水はけ・根の伸びが良くなる。化成肥料ばかり使って固くなった土の改善に役立つ。

選び方と注意点: 販売元によって成分にばらつきがあり、安価なものは要素が入っていたり入っていなかったりするので、肥料袋の裏面を確認して購入する。完全に分解されるまでには数年かかり、耕すと未分解の葉が出てくることもある。

また入れすぎると分解時に発生するガスで根が傷むため使いすぎに注意し、必ず完熟したものを使う(未完熟品も売られているので確認する)。

使い方(4通り): ①土作り:牛糞・鶏ふん・油かすや化成肥料と一緒に使うと微生物が増えて良い。1平米に2Lほど撒いて耕し、塊はほぐし、表面に残ると種まきに影響するのでよく混ぜ込む。

②耕盤層まで深く耕して混ぜる:硬い畑は50cmほどまで掘り、奥まで柔らかくして根張りを良くする(初めての畑に有効)。入れたら数週間寝かせる。

③マルチング:株元に厚めに敷いて雑草・乾燥予防に。夏の高温期の地温上昇予防や冬の保温にもなり、最終的に土に還る。

④畝間の通路に撒く:なすやきゅうりなど通路まで根が伸びる作物で、通路を10cmほど耕して混ぜると根張りが良くなる。

解説動画: 【いまさら聞けない】腐葉土の特徴と使い方【土壌改良資材】/ガーデコジャパン園芸ガーデニングチャンネル

特徴・堆肥との違い: 落ち葉を発酵熟成させたもの。「土」の字が付くが土そのものではなく、赤玉土など他の用土と混ぜて使う。

有機物を発酵熟成させた点は堆肥と同じで、腐葉土はバーク堆肥などの植物性堆肥の一つと言える。ただし発酵温度が低いと雑草の種や害虫の卵が死滅せず残ることがある点は、米ぬかで高温発酵させる牛糞堆肥・バーク堆肥より注意が必要。

メリット: ①繊維質が多く適度な隙間があるため通気性・水はけが良く、根が伸びやすい環境になる。

②繊維質による保水性に加え、腐植を多く含むため保肥力が高く、与えた肥料を過不足なく供給できる。

③腐葉土自体に微生物が多く、混ぜ込むと土壌微生物が豊かになり、植物が病害虫の被害を受けにくく健全に育つ。

デメリット: 室内で観葉植物を育てる土に混ぜるのはコバエが湧く原因になるため不向き。

室内で使うなら、分解されにくくコバエも湧きにくいヤシ殻チップ(ベラボン)を腐葉土の代わりに使うのがおすすめ。

使い方: 土ではないので単体では使わず、他の用土と混ぜる。鉢植え用土は赤玉土7割+腐葉土3割が基本の配合。

庭や花壇の土壌改良では1平米あたり一定量を混ぜ込み、もみ殻くん炭を加えるとさらに通気性・水はけが改善する。

株元に敷き詰めてマルチング資材として使えば保温・保湿効果があり、宿根草の冬越し対策にも有効。使用量を間違えなければ土壌改良資材としてとても優秀。

解説動画: 発酵腐葉土使い方 1 畝編/MUNA_FARM 無農薬自給自足

畝への施用と使用量: 自作した発酵腐葉土を畝の表面にすき込む実演。施用量の目安は1平米あたり3L。

例では幅80cm×長さ約10m(約8平米)の畝に対し、およそ24Lを撒いている。全体に撒いたあと、表面に軽くすき込む。

植え付けまでの期間: すき込み後、1週間〜10日ほどで作物の植え付け・種まきが可能になる。

解説動画: 【知らなきゃ危険】落ち葉を使った堆肥を使う際に気を付けるべきことを紹介します。【家庭菜園】/たわらファームの日常

自作(落ち葉堆肥)は必須ではない: 腐葉土と同じ落ち葉由来の「落ち葉堆肥」を、わざわざ落ち葉を集めて作る必要は必ずしもない。

木から自然に落ちた落ち葉を畑に入れて米ぬかと混ぜる程度でも十分で、処分に困る落ち葉を土に混ぜる感覚で使えばよい、という考え方。

材料の落ち葉の注意: 使う落ち葉の出所が重要。自宅の庭など管理された場所の落ち葉は比較的安全だが、山や森で集めた落ち葉は害虫・虫の卵・雑草の種・雑多な微生物が付きやすく最も危険。

そうした落ち葉をそのまま使うと、その年に害虫が増えることがある。

肥料効果と米ぬか: 落ち葉自体には肥料成分はほとんどない(土を柔らかくし微生物を増やす効果はある)。肥料効果は牛糞など動物性堆肥の方が圧倒的に高い。

落ち葉に米ぬかを混ぜて堆肥化すると、米ぬかの高い肥料効果が加わり、肥料効果のある落ち葉堆肥になる。

よそから集めた落ち葉の扱い: 山や森など外から拾ってきた落ち葉は畑にそのまま入れず、一度燃やすか、袋に入れて米ぬかを加えて発酵させ、発酵熱で虫や菌を死滅させてから使う。

この一手間を守ることで害虫が湧くリスクを減らせる。

液体肥料(肥料)

水で薄めて使う速効性の肥料。追肥や葉面散布に向く。 使い方:規定倍率に薄めて水やり代わりに、または葉の表裏に散布する。

解説動画: [Liquid Fertilizer] Effectiveness depends on timing! The correct way to use Hyponex concentrate! .../ハイポネックス ジャパン

概要:液肥は与える時期が大事: ハイポネックス原液は窒素・リン酸・カリをバランスよく含む液体肥料だが、いつ与えても良いわけではない。植物には肥料を欲しがる時期と必要としない時期、与えても効きにくい時期がある。

植え付け後はまず根(主根、続いて毛細根)が株の大きさに比例して先行して伸び、活着して初めて上の茎葉が一気に育つ。この生育段階を見極めて使うことが、液肥をうまく効かせるポイントだという趣旨。

植え付け直後は与えない: 苗を植えた直後は根が切れていたり植え替えのショックで弱っており、まだ活着していないため養分や水を吸う力が弱い。この時期に液肥を与えても効果は薄く、そのまま流れてしまう。

むしろ土壌の濃度が上がって根から水が抜ける肥料焼け(漬物でキュウリが縮むのと同じ浸透圧の現象)を起こしたり、根を深く伸ばそうとする成長スイッチを鈍らせてしまう。

市販の培養土には元肥が入っていることも多く、さらに液肥を足すと肥料過剰になりやすい。植え付け直後は液肥ではなくリキダス(活力剤)を使うとよい。

与えるベストタイミング: (1) 植え付けから3週間〜1ヶ月ほど経ち、活着して株が動き出したタイミング。(2) 花や実がつき始めたタイミング。速効性があるので、花・実づくりの栄養として一気に効く。

花や実がつき始めたら週1回を目安に与える。プランター栽培では、毎日の水やりのタイミングで与えるとよい。初期から何か与えたい場合は、液肥ではなくリキダスを栽培初期から週1回。

希釈と与え方: 希釈は水10Lに原液20mlほど。入れたらよくかき混ぜる。弱っているからと濃くするのは逆効果でNG。

上から葉にかけると葉を伝って流れてしまうので、ジョウロのハス口を外すか下向きにして、株元・根元に直接与える方が効きが早い。土が乾いていると表面だけ吸って下まで届かないことがあるため、鉢底から水が滴るくらいまで数回に分けて与える。

解説動画: [Liquidus Hyponex Concentrate] Concentration is crucial! Explanation of the correct dilution meth.../ハイポネックス ジャパン

概要:液肥に切り替えるタイミング: 成長期の水やりに合わせて活力剤や液肥を与える際の、希釈の考え方を解説した回。植え付け直後(植えて2週間ほどで活着してくる)は根を伸ばしたい時期なので、液肥ではなくリキダスを使う。

活着の確認は、葉が上を向いて垂れていないか、株元がふわふわしていないか(隙間があると根付かないので鎮圧する)で見る。

植え付けから3〜4週間ほど経って活着したら、窒素・リン酸・カリを含むハイポネックス原液(液肥)に切り替え、株を大きくして花や実の形成につなげる。

濃くしすぎるのはNG: 株が小さいからと濃い液肥を与えたり、リキダスを濃くして与えるのはNG。

濃すぎると、(1) 浸透圧で根の細胞から水が抜ける「肥料焼け」を起こし、根が傷んだり枯れたりして、逆に水を吸えなくなり徐々に枯れる。(2) 成分バランスが崩れ、窒素分が多いと葉ばかり茂って徒長し、実つきが悪くなり病害虫にも弱くなる。

見た目は元気そうでも弱い株になりやすい。これはリキダスにも言え、吸収量を超えると逆効果になる。株が弱々しくても、必ずきちんと希釈して与える。

かんたんな希釈のやり方: 空のペットボトルを使うと水量を量りやすい。

500mlのボトルで500倍を作るなら、スポイトで原液1ml(ペットボトルのキャップ内側の出っ張りまで満たすとおよそ1ml)を入れて、水を満タンにする。1Lで500倍なら2ml(キャップ内側の水位を少し超えるくらい)、2Lボトルなら4mlと、水量に比例させて増やす。

1000倍にしたい場合は1mlを1Lの水で薄める。野菜の栽培では500倍を目安にするとよい。

与え方: 作った希釈液はよく振ってから、ジョウロに移し替えるか株元に優しくかける。根が伸びているあたり、プランターの少し端側を狙って与える。

希釈液は保存せず、作ったらその都度使い切る。

油かす(肥料)

菜種などの搾りかす。チッ素主体の有機肥料でゆっくり効く。 使い方:元肥に土へ混ぜるか、追肥として株の周りに置く。

解説動画: 【油かすの使い方】家庭菜園でどう使う?初心者の方向けに基本から解説します!│かっちゃんの有機栽培コーザ/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

油かすとは: 菜種・大豆・ごまなどの油を搾った最後に残るかすを利用した有機質肥料。原料ごとに菜種油かす・大豆油かす・ごま油かすなどがあり、肥料成分が少しずつ違う。

ごま油かすは香りが良いが値段が高め。ホームセンターで一番よく売られているのは菜種油かすや大豆油かす。さらさらして扱いやすい。

特徴と向く野菜: 有機質肥料の中でも効きがゆっくりの緩効性で、効果が現れるのは遅い。窒素分が多く葉や茎を大きくするので、ほうれんそうやこまつななどの葉物野菜の元肥に向く。

窒素が多いぶん葉物なら油かす単体でも栽培できるが、ほかの野菜では鶏ふんなどリン酸・カリを含む肥料と混ぜる必要がある。

使い方とタイミング: 緩効性なので基本は元肥として、野菜を植える約1週間前に畑へ入れて耕しておく。入れてすぐ植え付けると分解時に有害なガスが出て根が傷むため、必ず1週間ほど置いてから植える。

追肥として使いたい場合は、油かすでぼかし肥料を作るか、水に入れて液肥にして葉にかける形で使う。

量と注意点: 家庭菜園では1平米あたり100gほどを目安に元肥として入れる。入れすぎると病気が出やすくなったり虫がつきやすくなるので、多いと感じたら次の植え付けでは控えめにして畑に合った量を探る。

注意点は、(1)緩効性なので基本は元肥、追肥なら液肥やぼかしにする、(2)元肥なら植え付け1週間前までに入れる、(3)入れすぎない、の3つ。鶏ふんに比べ値段はやや高いが匂いは少なく、むしろ良い香りがするので匂いが気になる人に向く。

解説動画: The basics of oil cake used in soil preparation for home gardens and farm cultivation! Be careful.../農家直伝!家庭菜園らいふ

基本と成分: 油かすは菜種や大豆から油を搾った残りかすを細かく砕いて乾燥させた有機肥料。肥料成分は窒素・リン酸・カリをおよそ5%・2%・1%含み、葉を茂らせる効果の高い窒素肥料。

発酵しながらゆっくり効く緩効性で、3週間ほど効果が続く。

効果とツルボケ・使いすぎの注意: トウモロコシの収量アップ、なすやオクラを大きくする、はくさいの結球率を上げるなどの働きがある。ただし窒素が多いため使いすぎると葉ばかり茂って実がつかないツルボケになり、根も傷める。

動画では3月初めのそらまめが通常20〜30cmのところ50cmを超えて徒長した完全なツルボケの例を紹介。「大きく育つ」というより「ツルボケしやすい」ととらえ、適量を守るのが正しい。

使いすぎは害虫も呼ぶ。保管は生のままだとウジやネズミの被害が出るので、ある程度密閉できるバケツや肥料入れに保存する。

油かすの種類: (1)菜種油かす=最もポピュラー、(2)大豆油かす=成分は菜種とほぼ同じだが効果が早く出る、(3)ニーム・椿油かす=栄養供給に加え害虫を遠ざける働きがあり、ニームはコガネムシなど、椿はナメクジ・カタツムリ・ジャンボタニシなどを遠ざける、(4)骨粉入り油かす=リン酸を含む骨粉を加えたもので花つきや果実を増やしたい時に有効。

また発酵油かすは発酵済みできつい匂いが少なく即効性があり、価格は高いが早く効かせたい時におすすめ。発酵の有無や主成分を確かめて購入する。

使い方(元肥・液肥): 使い方は2つ。元肥として牛糞・鶏ふんなどと混ぜて土に仕込む方法と、液肥にする方法。

液肥は、2Lの水に油かす200mlを入れ、発酵ガスが出るのでフタを軽く締め、涼しい場所で3〜4週間置く。使う時は上澄みを600倍程度に薄めて株元に散布し、葉にはかからないようにする。そのまま水に入れて使うと窒素分が多すぎるので、必ず薄めて使う。

解説動画: It's too late to ask now! The correct way to use oil cake, essential for organic farming ♪/庭なし家庭菜園!ポコずチャンネル

油かすとは(有機肥料としての位置づけ): 油かすは油を搾った残りかすを原料とする植物由来の有機肥料。速効性は低いがゆっくり長く効き、効果が持続する。

植物に直接効くというより土中の微生物のエサになり、微生物を活性化させて土壌を改善する。その結果、窒素・リン酸・カリを吸収しやすい形に整え、カルシウムやマグネシウムなど微量元素も補う。

フカフカの土になり植物が病気にかかりにくくなり、無農薬栽培も可能にするなど有機農業で最も重要な肥料とされる。農薬を使いたくない人におすすめ。

成分と種類: 油かすは葉の肥料と呼ばれる窒素を多く含み、ほうれんそうやこまつななど葉物野菜と相性が良い。

種類は、菜種油かす(油分が多いほど分解が遅く効き目が長い、主成分は窒素)、ごま油かす(成分は同等だが香りが良く値段が高い)、骨粉入り油かす(リン酸豊富な骨粉と窒素の油かすを合わせた万能タイプ)、発酵油かす(3要素をバランスよく含みほぼ全ての植物に使え、発酵済みで肥料焼けの心配が少なく初心者向き=一押し)。

使い方と3つの注意点: じわじわ効くので、植える前に土に混ぜ込む元肥として使うのがおすすめ。注意点は3つ。

(1)匂い=発酵過程で匂いが出るが、発酵(約3週間)が進むと収まる。対策は土にしっかり埋めて上から土をたっぷりかぶせる。ベランダ栽培なら発酵油かすを使う。

(2)害虫=成虫・幼虫やネズミなどが集まることがあるので、これも土に埋め込むのがポイント。

(3)肥料焼け=分解過程でアンモニアガスが発生し植物が枯れる可能性があるため、野菜を植え付ける1週間ほど前の耕した畑に混ぜておく。

適量とおすすめ野菜: 目安量は、草花なら1平米あたり元肥80〜100g・追肥50〜60g、野菜なら元肥170〜200g・追肥120〜150g。肥料焼けの心配があるので追肥には発酵油かすを使うとよい。入れすぎると虫がつく原因になる。

おすすめ野菜はすいか(こだまスイカならプランターでも可)で、油かすは光合成を助けるため甘くて美味しいすいかが穫れる。基本は元肥として植え付け前の準備段階で使うのがよい。

解説動画: Tips for properly using chicken manure and oil cake !/農家直伝!家庭菜園らいふ

油かすの性質: 油かすは菜種油の絞りかすを乾燥させたもの。窒素分を多く含むので葉野菜の生育に非常に役立つ資材。

ただし窒素が多いぶん、使いすぎると害虫を引き寄せるデメリットがあり注意が必要。

元肥での使い分け: 窒素が多い油かすは葉物野菜の土作りに活用する。一方、トマトやオクラなど肥料分を多く集める野菜には窒素の使いすぎがNG。

トウモロコシには少し多めに入れるとよく育つ。根菜類を育てる時は油かすと鶏ふんを合わせて使う。

追肥・液肥での扱い: 追肥は鶏ふんが中心で、油かすを使う場面はほとんどない。油かすの窒素は初期生育で茎を伸ばし葉をつけるには重要だが、花や実をつける時期には向かない。

さらに生の油かすを追肥にするとアンモニアガスが発生して悪影響を及ぼすため、追肥に使うことはまずない。

ごく稀に生育が悪く窒素不足の時だけ、油かすを液肥にして(希釈して)対応することがある。葉物の生育が悪い時は液肥なら即効性があるのが利点。

夏野菜の土作りの実演: 同じ畝でトマトときゅうりを育てる例では、トマトは鶏ふんのみで油かすは使わない。一方きゅうりは初期生育で葉とツルを大きくして光合成を進める必要があるため、窒素供給に油かすを使う(きゅうり用に油かす50ccを準備)。

根の張り方の違いもあり、きゅうりは側根が広がって表面の肥料を吸いやすい。牛糞を深くすき込んだあと、きゅうり側は鶏ふんに加えて油かすをやや浅めにすき込み、マルチを張って3週間ほど発酵を待ってから植える。

解説動画: 野菜別の鶏糞と油粕のおすすめの使い方と使い分け方を完全解説!鶏ふんと油かすの違いは?/野菜作りの教科書 Vegetable Beginners Guide

油かすの性質: 油かすはまだ分解途中の有機物で、土中の微生物に分解されながら徐々に栄養を放出するため、ゆっくり長く効く緩効性。窒素を中心とした肥料。

微生物の働きが前提なので、土が良い状態ほど安定して効き、土が悪いと効きが遅れたりムラが出る。

生の油かすはよりゆっくり長く効くが入れすぎるとガスが出て根を傷める。発酵済みの油かすはある程度分解が進んでいて効きが安定し、扱いやすい。

効果と使い分けの基本: 油かすは窒素中心で、木や葉が育つ栄養成長を支える肥料。葉がしっかり育つと光合成の力が高まり植物全体が安定する。すぐ大きな変化は出ないが生育を支える土台として優秀。

使い分けの基本は「土台を作るなら油かす、花や実をつけるなら鶏ふん」。元肥は油かすをベースにするのがおすすめで、ゆっくり分解して栄養状態が安定し効きのムラが出にくい。

追肥では、生育が安定していれば油かすを少量足して維持する。土作りができているなら油かすが生きる。迷った時は、効きが穏やかで多少多くても大きな失敗になりにくい油かすを選ぶとよい。

作物別の使い分け: トウモロコシなどイネ科は肥料を多く使うので前半・後半とも油かすで安定供給する。トマト・なす・ピーマンのナス科は窒素過多で葉ばかり茂るツルボケになるため油かすベースで緩やかに維持。

えだまめなどの豆科は根粒菌で窒素を固定するので窒素を与えすぎず油かすも少量に。きゅうり・かぼちゃ・ズッキーニのウリ科もツルボケしやすいので油かすベースで微調整。

ねぎ・たまねぎ・にんにくのユリ科はゆっくり長期間育つので緩効性の油かすと相性が良い。はくさい・キャベツ・ブロッコリーの大型野菜は前半に葉を大きくするため油かすベースでじわじわ効かせる。

一方、ほうれんそう・こまつななど短期で一気に育てる小型葉物は、ゆっくり効く油かすよりも速効性のある鶏ふんのほうが向く。

入れすぎの注意: 油かすは安全なイメージがあるが、分解の過程でガスや熱(発酵熱・ガス障害)が発生する。未分解の状態で多く入れると根の周囲の環境が悪化し根がダメージを受ける。

特に植え付け直後や根がまだ弱いタイミングで多く入れるのは要注意。大切なのは効かせることよりもバランスを崩さないこと。

鶏ふん(肥料)

鶏のふんを乾燥・発酵させた安価な肥料。リン酸が豊富。 使い方:元肥・追肥に少量ずつ。においが出るので土によく混ぜる。

解説動画: [How to use chicken manure] How to use it in your home garden? We'll explain the basics for begin.../マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

鶏ふんとは(種類の選び方): 鶏ふんは鶏のフンを原料にした有機質肥料。市販の一般的なものは「発酵鶏ふん」で、そのまますぐ畑に入れて使える。形状はさらさらした粉状のほか、粒状・ペレット状もあり、使いやすいものを選べばよい。

一方「乾燥鶏ふん」は発酵させず乾燥させただけなので、畑に入れてから時間を置かないと使えない。購入時は発酵か乾燥かと、形状を確認すること。

特徴と向く野菜: 有機質肥料なので化学肥料より効き目はややゆっくりだが、有機質肥料の中では即効性がある方で、元肥にも追肥にも使える。

牛ふんや油かすと比べてリン酸が多いのが特徴で、実をたくさんつけさせるのに役立つため、なすやピーマンなどの夏の果菜類に向く。

使うタイミングと量の目安: 元肥として使う場合は、植え付けの約1週間前までに施して畑を耕しておく。有害なガスが出て根が傷むのを避けるためで、少し置いてから野菜を植える。

施し方は畑全体に混ぜる全面施肥のほか、溝を掘って入れる溝施肥、株間に入れる置き肥などを野菜で使い分ける。追肥は葉色が薄くなったり実が出てきた頃に、株間に穴を開けて入れる。

量の目安は1平米あたり200g程度。入れすぎると虫が寄ったり病気になりやすいので、生育を見ながら調整する。

使うときの注意: ポイントは3つ。(1)発酵していないものは使わず発酵鶏ふんを選ぶ、(2)元肥は植え付けの1週間前までに入れる、(3)適量を守り入れすぎない。

ホームセンターで100円程度と安く、有機肥料の中でも使いやすい。雨ざらしで中が濡れているものもあるので、その場合は乾かして使い、端が傷んでいるようなものは避ける。

解説動画: Tips for using chicken manure for summer vegetables !/農家直伝!家庭菜園らいふ

鶏ふんの概要と成分: 鶏ふんは鶏のフンからできた有機肥料で、即効性の高さと手軽さから欠かせない資材。他のフンより栄養素が豊富で、成分はおよそ窒素3.5%・リン6.5%・カリ4%。

リンが豊富で実や花をつけるのに役立つ。化成肥料と同等の効果が得られるが、効き目が現れるのは少し遅め。

やってはいけない使い方: 1つ目は過剰に与えること。鶏ふんはカルシウムも多く、与えすぎるとカルシウム過剰症でアルカリが強まりpHが上がる。マンガンと結合するなどして鉄・マンガンなどの吸収が阻害され、欠乏症の生理障害が出る。

トマトの元肥では鶏ふん単独でなく牛ふんなどと組み合わせる(例:牛ふん3Lに鶏ふん50cc)。元肥はやや少なめにし、足りない分を追肥で補うのが賢い。

2つ目は根の近くへの追肥。含まれる尿酸が分解される過程でアンモニアが発生し、葉緑素を破壊して肥料焼け(葉が白く枯れる、実が大きくならない)を起こす。株元から離して移植ごてで穴を開けて追肥する。

追肥後は水分を与えると分解が早まるが、寒い時期は霜柱の原因になるので与えすぎない。

正しい使い方: 1つ目は均等にすき込むこと。偏りがあると生育にムラが出て収穫時期がずれ、塊が残ると分解が遅れて肥料焼けの原因になる。畑にまんべんなく撒いたら、クワを打ち込んだ場所でそのまま持ち上げる(引っ張らない)と均等に混ざり、空気も入って生育が良くなる。

2つ目は水分を合わせて分解を促すこと。乾燥しすぎた土だと分解が遅れるので、元肥・追肥後にジョウロで水を与える。ただし雨続きや水はけの悪い土壌は酸素不足でカビが生え生育に悪影響なので、水はけの良い土壌で長雨にならないタイミングで与える。土に十分湿り気があれば水は不要。

鶏ふん液肥の作り方(裏技): 急いで栄養を与えたい時は鶏ふんの液肥が便利。固形で与えるより早く、化成肥料の液肥並みのスピードで効く。

水に対して鶏ふん1の割合(500mlのペットボトルなら鶏ふん約50cc)を入れてよく振り、1週間ほど置く(毎日撹拌すると効果が上がる)。使う時は5倍に希釈して株元に与える。そのまま使うと肥料焼けを起こす。

解説動画: Most people don't know this! Chicken manure is a super fertilizer! A complete guide to using it f.../庭なし家庭菜園!ポコずチャンネル

堆肥ではなく肥料として捉える: 同じ動物性でも牛ふん・豚ふん・馬ふんは土をふかふかにする「堆肥(土壌改良材)」に近いが、鶏ふんは「肥料」。

堆肥のようにたくさん混ぜても土は柔らかくならず、むしろ肥料分が多すぎて植物が枯れやすくなる。鶏ふんは他の動物性有機肥料より圧倒的に肥料分・栄養分が高いのが理由で、この癖を知らずに使うと枯らしてしまうことがある。

鶏ふんの魅力(栄養・価格・カルシウム): 肥料分が高くバランスが良い。三大要素(窒素・リン酸・カリ)の割合が、油かすの5:2:2に対し鶏ふんは3:7:3とリン酸が多い理想的な山形で、花や実をつけるなすやトマトなどの夏野菜に向く。

さらに他の有機肥料にはほとんど入っていないカルシウムが豊富で、植物を強く育てる。価格も鶏の生産量が多いため肥料の中でダントツに安い。

栄養価が高い理由は、鳥が歯を持たず腸も短くて消化・吸収が少ないぶん栄養の残ったフンが出ること、栄養価の高い餌で育つこと、尿(尿酸=窒素分)と糞が同じ場所から一緒に出ること、割れにくい卵のためカルシウム豊富な餌を与えていることなど。

種類・匂い・使い方: 一般的なのは粒状が多い発酵鶏ふん、他に粉状が多い乾燥鶏ふんがある。乾燥鶏ふんは生を熱乾燥しただけで、水を含むと生に戻り匂いが強い。発酵鶏ふんは一度発酵させているので匂いがマイルド。効き目は乾燥鶏ふん(粉状)が即効性、発酵鶏ふん(粒状)がゆっくり長く効く。

最大のデメリットは匂いで、原因は尿酸が空気に触れてアンモニアに分解されること。撒いた後しっかり土に混ぜ込めば空気に触れる面が減り匂いはかなり緩和される。混ぜ込むと土中で発酵・発熱するので、2週間ほど空けてから植え付けるのがおすすめ。

石灰との併用・炭化鶏ふん: 鶏ふんのカルシウムには多少の石灰効果があるが、土壌pHを調整できるほどのアルカリ成分はないので石灰との併用が望ましい。おすすめは葉の緑を濃くするマグネシウム(苦土)を含む苦土石灰で、鶏ふんにも石灰分があるぶん苦土石灰を通常より減らせコストダウンになる。

匂いが気になるベランダ・室内園芸には、鶏ふんを炭化させた「炭化鶏ふん」が最適で、炭化により匂いがほぼ無臭になる。

解説動画: 【鶏ふんの使い方】知らなきゃ損!基礎~注意点・実際の使い方まで徹底解説!【有機農家直伝!無農薬で育てる家庭菜園】/菜園アドバイザーあぐりんのあぐりんちゃんねる🍉

概要と特徴(安さ・成分): 鶏ふんは鶏のフンを活用したもので、よく使われるのは発酵鶏ふん。他に乾燥鶏ふん、高温で炭化させた炭化鶏ふんがある。牛ふん・豚ふんと同じ動物性だが、鶏ふんは堆肥というより有機質肥料(牛ふんは養分が少なく土壌改善向き、豚ふんは中間)。

ホームセンターで15kg100円程度と安く、化学肥料が高騰する中でも価格が変わらず国産なのが大きなメリット。多少の匂いはあり、気になる人は風に負けにくく撒きやすいペレット状(やや高価)もある。

肥料養分が高く即効性でリン酸も多いため化学肥料同様に元肥・追肥どちらにも使える。目安成分は窒素3~4%・リン酸5~8%・カリウム3%程度で、石灰15%程度と苦土も少し含み、pHは8~9。

pHの高さとカルシウム過剰の注意: 鶏の餌に貝殻などが含まれカルシウムが豊富なため、一般的な堆肥よりpHが高い。野菜栽培で消石灰・苦土石灰・貝殻石灰などを使うと、鶏ふんにも石灰が含まれるためアルカリ性になりすぎる。

カルシウムが過剰になるとpHが上がり、マンガン・鉄・亜鉛・ホウ素などの吸収が阻害され欠乏症の危険がある。他の石灰の使用量と併せてカルシウム過剰症にならないよう注意し、特にハウスは雨で流れず土壌に蓄積するので要注意。

実際の使い方(元肥・追肥・肥料焼け): 即効性が高いので元肥として使う場合は早く撒きすぎない。1ヶ月以上前などあまり早いと効果が薄れる。尿酸が分解されるとアンモニアになり、葉が白く焼けて枯れる肥料焼けを起こすことがある。

肥料焼けは土が乾燥していたり水が溜まっていると起きやすいので、雨が降った後少し落ち着いてから施すのがポイント。追肥は早く効かせたいので表層に施すのが良いが、表面に撒いただけだと害虫に卵を産みつけられる可能性があるので、軽く上から土をかけるとよい。

相性の良い野菜・悪い野菜: おすすめはにんにく・らっきょう・たまねぎ・ねぎなどのネギ類。生育期間の長いなすやオクラ、スイートコーンなどにも向く。石灰分を含むため酸性土壌に弱いほうれんそうにもおすすめ。

逆に不向きなのはトマトで、動物性堆肥全般あまり向かず、病害虫が出やすくなったり実つきが悪くなる。じゃがいもはpHの高い鶏ふんでそうか病が出る場合があり、毎年そうか病が出る畑では特に注意。きゅうりなどのウリ科も相性が良くない。窒素過多で実つきが悪くなる野菜も避けた方がよい。

解説動画: 【鶏糞の使い方】メリット・デメリットを徹底解説!相性が良い野菜も教えます/もふみ農園@野菜の栽培 初心者向けチャンネル

堆肥ではなく肥料として使う: 鶏ふんは鶏のフンを原料にした肥料で、三要素の窒素・リン酸・カリウムに加えカルシウムやマグネシウムも含む。ホームセンターでは牛ふん堆肥の横に売られ、書籍でも牛ふん堆肥と混ぜて使うと書かれるが、鶏ふんは堆肥ではなく肥料として使うのが一般的。

堆肥は保水性・通気性・水はけの整った団粒構造をつくる土作りに使うもので、それには牛ふん堆肥を使う。鶏ふんは種や苗を植える前の元肥や、生育中の追肥に効果的。牛ふん堆肥をやめて安い鶏ふんばかり使うと土の状態が悪化するので、全体のバランスを考える。

購入時の注意と形状: まず袋に「発酵」と記載のあるものを買う。未発酵のものは発酵させる必要があり初心者には不向き。次に雨で袋が濡れていないか確認する。鶏ふんは濡れると匂いがきつくなり固まって使いにくくなるので、雨よけのある店で買うとよい。

開けた時に水っぽいものは発酵が不完全な場合があるので使わない。形状は粉状(安いが風の影響を受けやすい)とペレット状(やや高いが風に強く散布しやすい)があり、地域や好みで選ぶ。

使用量と相性・匂い: 使用量は畑の状況で変わるが、目安として元肥は1平米あたり100~200g。入れたら土とよく混ぜ、1~2週間空けてから植え付ける(効果が出るまでの期間と、まれに発生する成長に悪影響なガス対策のため)。追肥は1平米あたり50~100g。

相性の良い野菜はトマト・なす・ピーマンなど花から実をつける果菜類(追肥として)で、キャベツやこまつななどの葉物も適量なら問題ない。相性の悪い野菜はじゃがいも・えだまめ・さつまいもなど。

かなり独特な匂いがするので住宅が近い場合は配慮が必要。土に混ぜ込むと匂いは軽減でき、水に濡れると塊になるので散布後は早めに混ぜ込む。

成分とデメリット(バランス・pH): リン酸が多い製品(例:窒素2%・リン酸6%・カリ3%)は、リン酸が花や実つきを良くするためトマトやなすと相性が良い。カルシウムも多く含む。

デメリットは2つ。1つ目は一般的な化成肥料(888=窒素・リン酸・カリが各8%)に比べ栄養バランスが悪く、畑の状態によっては鶏ふんだけでは窒素が不足しバランスが崩れる可能性がある。

2つ目はpHが高いこと。製品によりpH9.0~10.0(貝殻石灰と同等)のものがあるため、土のpH調整では貝殻石灰を使うか鶏ふんを使うか、あるいは両方かを考える必要がある。

まとめると、(1)土作りでなく肥料として使う、(2)匂いに注意する、(3)粉ばかりに頼らず色々な資材でバランスの良い畑を目指す。

もみ殻くん炭(土・用土)

もみ殻を炭化させた資材。通気・排水を改善し、pHをやや上げる。 使い方:土に混ぜて改良、または鉢底やマルチ代わりに。

解説動画: 5 effective ways to use rice husk charcoal for growing summer vegetables on a farm !/農家直伝!家庭菜園らいふ

もみ殻くん炭とは: もみ殻を400℃以下でゆっくり蒸し焼きにして炭化させた資材。形はもみ殻のまま残り、内部が細かな穴の多孔質になる。ほぼ無臭で、周囲の匂いを吸収する働きもある。

炭化によってケイ酸の割合が高まり、もみ殻の約20%に対してもみ殻くん炭では約50%になる。

農協などで米袋1袋分が900円ほど、ホームセンターでは小袋でも購入できる。

土壌改良とpH調整: 排水性・保水性・通気性を高める。もみ殻の船のような形状が空気と水を保つためで、炭化後も同じ効果がある。根張りが良くなって根腐れなどの病気を防ぎ、乾燥も防止できるので3〜4か月かかる夏野菜の長期栽培に向く。畝間に混ぜておくと踏み固められても内部の通気性・保水性が残る。

またアルカリ度8以上で、溶けにくいためじわじわと酸性土壌を中和する。pHを動かすなら1m²あたり最低2L、微生物の活性化が目的なら少量でよく、畝の上に振りかけて耕す。

アブラムシ対策とマルチ利用: 炭の匂いをアブラムシが嫌うため、株元に土が見え隠れする程度に撒くと防除に役立つ。プランターでも畑でも同じように株元に散布する。

また黒いので地温を上げるマルチにもなり、ビニールマルチと違って水も空気も通しながら土を温める。雑草対策にもなる。

ケイ酸と菌根菌による生育効果: ケイ酸が光合成を活発にし、野菜の成長を早め大きくする。さらに土中の菌根菌の住処となって増殖を助ける。

菌根菌はネットワークを組んで根の届かない場所のリン酸などを植物へ届けるが、他の微生物に比べて弱く追いやられやすい。くん炭が住処になることで増え、リン酸が必要な夏野菜の実を大きく育てる。

物理的な土壌改良だけでなく、養分や微生物の面でも役立つ。

解説動画: もみ殻くん炭の使い方 実は色んな利用方法があります/鈴木農園TV

もみ殻との違い: もみ殻を炭化させたもので、ひと手間かけるだけで生のもみ殻よりずっと高い効果が出る。にんにくやたまねぎの畝で、株元に上から撒いて使う。

主な効果: 通気性・排水性の向上と団粒構造の促進はもみ殻と同じだが、炭化で無数の小さな穴ができることでミネラル分が溶け出しやすくなる。ケイ酸をはじめ銅・マンガン・カリウムなどの微量要素を供給する。小さな穴は微生物の住処にもなり団粒構造をさらに促す。

黒いので光を通さず雑草を抑え、太陽熱を吸収して地温を上げる黒マルチと同様の保温効果もある。

炭はアルカリ性なので酸性土壌を改善し、悪い菌が多い酸性土壌で良い菌が住みやすくなって病原菌の発生を抑える。

使い方と効果検証: 畝やにんにくの株元に上から撒く。本には良いことばかり書かれ実際の効果は載っていないため、一畝だけもみ殻くん炭を使わずに育て、収穫期の5〜6月にどれだけ差が出るかを比較する予定。

くん炭の作り方は別動画で紹介している。

解説動画: 【早く気づいて】籾殻くんたんは究極の改良材になります             【カーメン君】【園芸】【ガーデニング】【初心者】/「カーメン君」ガーデンチャンネル

概要と成分: もみ殻を焼いて燻した多孔質のもみ殻くん炭で、土の中では最強クラスの土壌改良材。

それ自体の肥料分(窒素・リン酸)はほとんどないが、微量要素として鉄・銅・カリウム・マグネシウム・マンガンを含み、中でもケイ素が突出して多い(もみ殻の1.5〜2倍、約30%)。約50%は炭素で、土中で半永久的に分解されず長期間残る。

3つの大きな効果: 1) 肥料持ちが良くなる…お椀型の形状と多孔質の穴が肥料分を吸着し、水で流れ出さず植物が必要な時に放出するので施肥回数を減らせる。

2) 微生物が増える…多孔質が微生物の住処になり種類も数も増える。生物的な土壌改良が持続し、離れた場所の養分を集めてくる微生物も住みつく。

3) 病害虫に強くなる…水に溶けやすいケイ素が細胞壁を硬くして病害虫や倒伏に強くする。病原菌を抑える微生物も増えるので連作障害対策になり、薬剤散布を減らせる。

その他の効果と注意点: 独特の匂いでアブラムシが寄り付きにくくなり、黒いので地温を上げて寒冷地の凍結防止や春まきの発芽促進に役立ち、多孔質で堆肥の匂いを吸着する脱臭効果もある。

一方でとても軽く風で飛びやすいので土に混ぜるか水を打つ。アルカリ性なので入れすぎには注意だが、実際は半分以上入れない限りpHは大きく変わらない。

天然物ゆえメーカーや製法で成分にばらつきがある点も知っておきたい。

使い方と入手: 土壌改良では土の量の10〜20%を目安に混ぜる。飛びやすいのでもみ殻と半々にしてもよい。

牛糞などの堆肥と併用すると匂いを消しつつ肥料持ちを高められ、米ぬか・もみ殻とブレンドするのも良い。

マルチングにも使え、鉢ではウォータースペースの内側に、畑では黒マルチと併用すると飛散を抑えられる。種まきの覆土に薄く使うと地温が上がって発芽率が上がる。

大量に使うなら農協や量販店の40〜60Lの大袋が割安。

解説動画: 籾殻くん炭ぼかし肥料の作り方 化成肥料の代用 ボカシと発酵鶏糞の効果 23/1/20/塚原農園

籾殻くん炭ぼかしとは: 化成肥料の代わりになる有機肥料で、10坪の畑1年分(土嚢袋2つ分)を作る。

材料はもみ殻くん炭12L、米ぬか3kg、発酵促進剤コーランNEO20g、水1L。

春・夏・秋に作る場合は害虫予防に木酢液(200倍に薄めたもの)を1L加えるが、害虫の少ない冬は水道水だけでよい。

作り方: 米ぬか・もみ殻くん炭・発酵促進剤を先によく混ぜ、水を入れてダマが残らないように混ぜる。

土嚢袋に半分ずつ入れて口を縛り、発酵期間中に2〜3回切り返す(口を満杯にしないほうがひっくり返して混ぜやすいため、あえて2つに分ける)。

冬は約1か月、夏は気温が高いので2〜3週間で完成する。

保管は直射日光と雨の当たらない日陰の軒下がよく、きちんと保管すれば1年かけて使える。匂いはほとんどなく、住宅の近くでも安心して使える。

効果と使える野菜: 化成肥料を一切使わず、有機石灰・もみ殻くん炭ぼかし・鶏ふんだけで育てただいこんは長さ90cm、糖度9.9%(一般的なだいこんは2〜4%)に育った。

土が柔らかく仕上がるためまっすぐ育ち、強い霜が続いても肌が綺麗で細胞も強くなる。

冬野菜だけでなくキャベツ・はくさい・ブロッコリー、夏野菜のなす・トマト・きゅうりなど、1年を通していろいろな野菜に使える。

マルチ(資材)

畝を覆うシート。地温を保ち、雑草・泥はね・乾燥を防ぐ。 使い方:畝に張って植え穴を開ける。黒は雑草抑制、シルバーはアブラムシ忌避に。

解説動画: 【目からウロコ】失敗しないマルチの賢い張り方教えます   【カーメン君】【園芸】【ガーデニング】【初心者】/「カーメン君」ガーデンチャンネル

マルチとは・3つの大きな効果: マルチとは植物の株元を何かで覆う(被せる)ことで、畑だけでなく庭でも使える技。覆う素材はビニール、草マルチ、グランドカバー植物、木のチップやバーク堆肥、もみ殻など何でもよく、時期やコストで使い分ける。猛暑や大雨、病害虫が増えるこれからの時代はマルチがあった方が確実に育てやすい。初心者はまずビニールマルチがおすすめ。

効果は大きく3つ。(1)畝が雨や風で崩れるのをビニールが水を弾いて守り、土台の高さを保ってメンテナンスが楽になる。(2)雨で溶け出しやすい化学肥料・化成肥料を守り、必要な分の水分だけをキープするので肥料の持ちが良くなりコスト削減になる。(3)6〜7月に激増する雑草を抑えられ、雑草が減ることで虫や病気も減らせる。

色と穴あきタイプの選び方: ビニールマルチには黒・透明・シルバーの3色がある。最初の1枚は汎用性が高く安い黒がおすすめで、春夏秋冬ほぼこれで対応できる。黒は光の熱を吸収するので3〜4月の低い地温を上げて夏野菜の初期生育を助け、放熱もしやすく遮光もするので真夏も熱くなりすぎない。透明マルチは地温が上がりすぎて根を傷めることがあるため初心者には不要で、時期を選んで使う。シルバーは反射で防虫効果があり夏に地温を下げられるが黒より高価。

穴あきマルチ(玉ねぎマルチ=直径約4.5cm・15cm間隔、ポテトマルチ=ミシン目で裂くタイプ・20cm間隔)は書かれた作物専用ではなく、穴の直径と間隔が合えば他の作物にも使える。玉ねぎマルチはこまつな・チンゲンサイ・ほうれんそうなどの葉物、ポテトマルチはトマト・なす・ピーマンなどに流用でき、間隔を空けたい時は穴を1つ飛ばして植える。

デメリットと注意点: ビニールマルチには規格サイズ(幅95cmと135cmの2サイズが主)があり、これに合わせた畝幅で作らないとシートが足りなかったり、大きすぎてビラビラが余り風でバタつく・作業しにくくなる。マルチ栽培をするなら先に畝幅をマルチに合わせて決めることが大事。

また基本的に使い回しが効かず、ワンシーズンで剥がして土壌改良し貼り直す手間がかかるうえ、大量に使うとゴミの処理が大変になる点も理解しておく。

貼り方の実演・固定具・開閉式マルチ: 畝幅50〜60cmなら幅90cmのマルチがちょうど合う。風の強い日は避け、風上から風下へ貼るとあおられにくい。端を多めに出して脇の土を被せて固定する方法もできるが、マルチ押さえ(プラスチックアンカーは抜けにくい、T字型の鉄ピンは100個約1000円と安い)を使うと畝際までピンと固定できる。

手順は、まず中央を1本止め、縦に引っ張って中心線を通し、両サイドを軽く引っ張り気味に押さえ、余りは踏んで土を落とす。畝の脇の露出部は三角ホーで足に土をかけるように被せると風の入り込みを防げる。追肥のときは、株元の穴だけに肥料を落とすと根が吸いにくく肥料障害も起きやすいので、根が広がる株の周りに与えたい。

そこで支柱2本にパッカーで留めた「開閉式マルチ」を作ると、ドームの屋根のように一気にめくって畝の肩へ追肥・芽かきができる。支柱は直径2cm(20mm)の太めがおすすめ。開閉式はピンとは張れないが広い高畝(トマトなど)に有効。マルチを貼る前に元肥が不十分なら有機化成や化成肥料を上から満遍なく振り、乾いていれば軽く水を打ってから貼ると保肥・保水力が増す。

解説動画: マルチの張り方 1人でも簡単にできます|初心者向け野菜づくりムービー/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

マルチを張る目的: マルチを張る意味は、保温・保湿・余計な草を生えさせない、の3点。

1人でできる張り方のポイント: 使うマルチは幅1m×長さ3m。ピンと張るために、まず片端を土の重みで押さえて固定する。畝の両端からしっかり張り、両サイドの土をマルチの縁に乗せていく。中心線を意識してピンと張り、シワが出ないようにする。

どんなに丁寧にやっても縁が露出する部分が出ると、そこから風が入ってマルチが飛んでしまうので、露出部分は全部土で埋める。最後にマルチシートに30cm間隔で植え穴を開ける(穴を開ける道具は何でもよく、マルチに穴を開けられればよい)。

解説動画: マルチの正しい貼り方【家庭菜園】/たわらファーム-農園ものがたり-

マルチを入れる3つのメリット: 夏野菜でマルチを使う理由は大きく3つ。(1)気温が上がると悪くなりがちな水持ちが良くなる。(2)夏の大雨で肥料が一気に流れるのを防ぎ、肥料持ちが良くなる(夏野菜は肥料が特に大事)。(3)一番大事なのが雑草対策で、肥料を入れる分だけ雑草も勢いよく伸びるが、マルチをすれば周りからの雑草も生えにくく、雑草に肥料を吸い取られるのも防げる。

使うマルチとセンターライン: 用意したのは厚さ0.02mm・幅135cm・長さ100mの普通の黒マルチ。幅は80〜180cmまであるが、投稿者はどの野菜でも基本135cmを使っている(使いやすさは人それぞれ)。長さ100mを選んだのは畝が手前から奥まで約15mで、5〜6列でも足りるため。

購入時のポイントとして、中央にセンターラインが入ったものを選ぶと、真っ直ぐ綺麗に貼れるかどうかが大きく変わる。

綺麗な貼り方の手順: 道具はマルチキーパー(なくても可)と、マルチより長い棒を1本。棒をマルチの芯の真ん中に通して転がすと2人作業で動かしやすい。スタートは少し長めに取り、マルチキーパーで2箇所仮止め。

中心線を確認しながらまっすぐ伸ばすが、引っ張りすぎるとキーパーの穴が広がって破れるので程よく。シワが出る所は一度刺してから、少しずつ間隔を空けて土で仮止めする。1箇所目は下だけ、2箇所目以降は少し奥に引っ張ってから下に引いて土を被せると縦横のシワが消える。

仮止め後は、左足(逆側は右足)でマルチを軽く踏みながらクワで横に土を被せる(踏まないと横シワが出る)。土の量はマルチが取れない程度でよい。最後に両端のストッパーを外し、端もピンと引っ張って土を被せ、少しでも見えている所を作らない。

注意点(風の強い日は避ける): 風が強い日はマルチが綺麗に貼れず時間もかかるので避け、できるだけ午前中の風がない時に貼る。マルチが土から見えているとそこから風や空気が入って剥がれる恐れがあるので、端は必ず全部埋める。

解説動画: [First-time home gardeners] Easy way to use mulch explained and practiced/DENZOのゆとり生活応援チャンネル

マルチの効果と4つの種類: マルチには大きく7つの効果があると言われ、基本的に良いことづくめなので初心者にもおすすめ。実際は簡単に貼れるので、貼らずに起こる問題を考えると臆せず挑戦してよい。

種類は4つ。一般的な黒マルチ、反射性が高く虫が嫌がるシルバーマルチ、地温が上がり保温効果が高い透明マルチ、最初から穴が開いている穴あきマルチ。特徴で選べばよいが、迷ったら黒マルチか穴あきマルチでよい。

シルバーマルチの実践: 今回は虫が苦手なので反射で虫よけになるシルバーマルチを選択。シルバーには穴あきタイプがないため、苗を植える位置にあらかじめマスキングテープで印を付けて株間を確保する(株間は野菜の種類に合わせる)。

印の場所に30cmほど穴を掘り、牛糞・米ぬか・腐葉土を混ぜた元肥をお茶碗2杯分ほど入れて埋め戻し、レーキで畝を整える。

マルチはマルチキーパーで留めるとぴったり抑えられ綺麗に仕上がる。固定できたら、地中に付けた印の場所にマルチ穴あけカッター(直径8cm)で植え穴を開ける。2本目の畝も同様に貼って穴を開け、穴を開けていない手前は種まき予定として残す。

解説動画: 今年は絶対張ってください!マルチを張るメリット4つ紹介します。【夏野菜】【家庭菜園】/たわらファームの日常

地温を上げる・乾燥を防ぐ: マルチを張るメリットは大きく4つ。1つ目は地温を上げること。マルチはビニールなので地温が下がらず暖かいまま生育でき、地温が低くなりがちな4〜5月をカバーして野菜に快適な環境を作れる。地温を上げる一番早い手段がマルチ。

2つ目は乾燥を防ぎ水持ちを良くすること。マルチのない通路の土は乾いてしまうが、マルチで乾燥を防げる。特に7〜8月は日差しが強く水の乾きが活発で水不足になりやすいが、マルチをすると水やりの回数が半分ほどに減る。トマトなど乾燥を好む野菜も乾燥しすぎは良くないので、マルチ穴を半分に切って適度に乾く場所を作る調整もできる。

雑草を防ぐ: 3つ目は雑草を防げること。透明マルチは効果が薄いが、黒マルチは光を完全に遮断するので雑草がとても生えにくい。マルチ穴を開けた所からは多少生えるが、それ以外は基本生えてこない。雑草を抜く手間が大幅に省ける。

さらに、夏は雑草が生えていると虫が住みやすく、そこに卵を産んで繁殖し、育てた野菜が食べられてしまう。雑草が多いと湿気がたまって風通しも悪くなり病気の原因にもなるので、虫対策の第一歩としても雑草を抑えるマルチは有効。

病気対策(泥はね防止): 4つ目は病気対策。マルチをせずに夏野菜を育てると、雨で土が跳ねる「泥はね」が起き、その土が葉に付くことでなすやトマト、きゅうりなどが病気になりやすい。青枯れ病の菌を持った土が跳ねて広がることもある。マルチをするだけで泥はねがなくなり、こうした病気を防げる。

野菜による使い分け: 夏野菜は病気に弱く長期間育てるうえ、水やりや雑草抜きの手間が膨大になるので必ずマルチをした方がよく、家庭菜園で数株だけでも推奨。

一方、はくさいやブロッコリーなどの冬・秋野菜は雑草も生えにくく水やりも少ないのでマルチしなくてよい野菜が多い(たまねぎはした方がよいが必須ではない)。一株だけなど代わりに済ませたい場合は、藁や籾殻を敷いて水持ち・雑草対策にできるが、籾殻は台風シーズンの夏は飛ばされやすい点に注意。

解説動画(海外・英語): Why to Mulch and Best Natural Mulches/Growfully with Jenna

マルチが効く7つの理由: アメリカ・オハイオの菜園チャンネル。夏じゅう草取りをしなくて済み、水やりが激減し、粘土質の土そのものが良くなる、しかも多くの場合ただという導入。効く理由を順に挙げている。1つ目は日光を遮って雑草の種の発芽を抑えること(タンポポやアザミのような強い雑草は突き抜けてくるが、マルチをした土は抜きやすい)。2つ目は土からの水分の蒸発を防ぐこと。作者の畑ではマルチと粘土質の保水力が合わさって、夏じゅう地植えの畝に水をやったのが3〜4回だけ、トウモロコシは干し草を厚く敷けば無灌水で済んだという。3つ目は草の刈りかす・落ち葉・ウッドチップなどの有機マルチが分解して、養分と有機物として土に還ること。分解を担う細菌や菌類が土の生物相を豊かにする。

温度・浸食・病気・害虫にも効く: 4つ目は地温を安定させること(夏は涼しく、春秋は暖かく)。5つ目は強い雨や風による土の浸食を防ぐ。6つ目が実用的で、雨や上からの潅水で土が跳ね上がるのを防ぐので、土に潜む病気が下葉へ移るのを止められる。うどんこ病の回でも同じ理屈が出てくる。7つ目は土に潜って産卵する種類の虫を寄せにくくし、逆にクモや捕食性の甲虫のような益虫のすみかになること。

落ち葉マルチと「リーフモールド」: 作者の一番のお気に入りは落ち葉。芝刈り機のバガーで刻んで集め、敷地の隅に積んでおく。積んだまま置くと、やがてリーフモールド(落ち葉が分解した、黒くほろほろの土のような物質)になる。養分として働くだけでなく、分解を担う菌類を大量に含んでいて土の健康に効く。使い方は、定植なら植え付けて水をやってから、畝全体に数インチ(10cm弱)敷く。ただし株元の茎に直接触れないよう、数センチ空ける。直まきなら先に畝全体を覆って播く筋だけ空けるか、芽が数センチ伸びてから敷く。

落ち葉は「刻んでから」使う(作者の失敗談): 刻まずに丸ごとの落ち葉を大量に敷いたのが、この家の畑での最初の失敗。丸ごとの葉は風で飛びやすいうえ、濡れると厚い不透過の膜になって土に酸素が届かず、水も抜けなくなった。しかも分解に2〜3年かかった。雑草を抑える効果だけは非常に高かったという。できるだけ刻んでから敷くのが結論。

防虫ネット(資材)

害虫の飛来・産卵を物理的に防ぐ網。無農薬防除の要。 使い方:支柱やトンネルで作物を覆い、隙間なく裾を土で押さえる。

解説動画: 防虫ネットの張り方を超基本から!必要な道具や他資材との使い分けも│モリミサと学ぶ有機栽培/マイファームTV -野菜づくりって楽しい!

概要(役割と使いどき): 防虫ネットは、種まきや植え付けの直後、まだ小さい苗を虫から守るための資材。畝の上にドーム状にかぶせ、物理的に虫の侵入を防ぐ。

農薬を使わない有機栽培では有効な防除手段で、特に虫の活動が活発になる春と秋におすすめ。

虫のつきやすさは野菜によって差があり、アブラナ科のはくさい・キャベツ・だいこんはアオムシ(チョウやガの幼虫)の大好物で食害されやすい。レタス・ねぎ・しゅんぎくは比較的つきにくい。豆類は種を鳥に食べられやすいので、防虫ネットや不織布で守る。

道具と張り方(畝4mの例): 用意するのはネット横幅1.35m×長さ6m。サイズの目安は、横幅=畝幅の約2倍、長さ=畝の長さ+2m(畝4mなら6m)。支柱(ダンポール)は1.5mを約50cm間隔で7本、端は斜めに挿す。

手順は、まず支柱を挿す。次にネットをかぶせ、端は少しねじってU字ピンで留める。ネット中央の線を目安に洗濯バサミ(またはパッカー)で留める。この例では洗濯バサミ12個、両端のU字ピン各1本を使用。

裾はなるべく下の方で留めて隙間を作らない。人によっては上からさらに土をかけて虫の侵入を防ぐ。数量はあくまで目安なので畑に合わせて調整する。

張るときの注意点3つ: 1) 張る前に苗に卵や虫がついていないか確認する(ついたまま張ると中で活発に動いて食害される)。

2) 裾に隙間ができないようしっかり留める(隙間から虫が入る)。

3) 風で飛ばないようしっかり固定する。

他資材との使い分け: 防虫ネットはあくまで虫よけ用。同じトンネル資材でも、不織布は保温・保湿向きで耐久性が低くべたがけで使うことが多く、寒冷紗は風よけや寒さよけ向きで編み目の細かさに種類があり、ビニールは最も保温効果が高い。

目的が「虫を防ぐ」なら防虫ネットを選ぶ。

解説動画: A Must-Try for Fall/Winter Gardening! Easy Ways to Open and Close Pest Netting for Crop Protectio.../農園らいふ+(プラス)

概要(なぜ開閉を楽にするか): 秋冬野菜の栽培に防虫ネットはほぼ必須で、これがないと害虫被害に遭いやすい。

ただし設置後も安心せず、いつの間にか害虫が発生・繁殖することがあるので定期的なチェックが大切。

通常はダンポール3本にネットをかけてトンネルパッカーで留めるが、確認のたびにパッカーを外して戻すのが手間で、細かいパッカーを紛失するリスクもある。そこで開閉を楽にする張り方を紹介している。

開閉が楽になる張り方: ポイントは両端にダンポールを2本ずつ挿すこと(長い畝は中間も2本使い、短い畝なら両端だけでよい)。高さは中で育てる野菜に合わせ、膝より少し上くらい。

2本のダンポールの間に防虫ネットを通し、裾を丸めて整えU字ピンで固定。反対側も同様にする。

次にもう1本のダンポールを内側に持ってきて、少し深めに交差させて挿すと、防虫ネットが2本のダンポールで挟まれてピンと張れ、裾も虫が入りにくい隙間になる。たるみがあれば調整。これだけで開閉がかなり楽になり、途中で止めて作業もできる。

支柱を足す応用: さらに支柱を1本使うと開閉がより楽になり、裾の隙間も埋められる。片面だけでもよい。

16φの支柱に大きめのパッカー、または90cmの支柱に11mm用パッカーを組み合わせて留める。パッカーの数を減らして固定できる。

解説動画: プランター栽培(番外編)~害虫ネットの作り方~/プランター栽培やってみませんか

概要(100均で自作): プランター用の防虫ネット(害虫ネット)を、100均の布団用洗濯ネット2つで自作する方法。ダイソーでもセリアでも買え、材料費は約200円。

洗濯ネットは縦54cm×横42cmで、2つつなぎ合わせると高さ約108cmの筒状ネットになる。もっと高さが欲しい場合はもう1つつなげる。

作り方: 切る部分に印をつけ、外側から約3cmのところを目安にハサミで切る。下になるネットは円柱部分の上と下を切り、上になるネットは下側だけ切る。

下のネットを裏返して中に上のネットを入れ、重ねる部分を小さなクリップで仮留めしてからホッチキス(ミシンがあればミシン)でつなぐ。留める間隔が空くと虫が入ってくるので、なるべく詰めて留める。

上下のチャックの位置はずらしておくと、栽培中に作業しやすい。

解説動画: 【コンテナ栽培】葉物野菜を無農薬で育てるのに,ぴったりなコンテナ,ネット,そして支柱の組み合わせ。格安ですが,最大限に広がり,しっかりと葉物野菜を育てます。数をそろえれば,常時 新鮮野菜がいただけます/ものづくり研究チャンネル by ysu

概要(100均の組み合わせ): 殺虫剤を使わずに葉物野菜をコンテナで育てるため、ネットをかける組み合わせを100均でそろえる。ネットはセリアの虫除けネット、支柱はセリアのU型支柱120cm2本組、コンテナはダイソーのプランター50×20cm。

このコンテナの大きさと支柱の高さがネットを最大限に生かせる。費用が安いのでコンテナを増やし、順次植えれば長く収穫を楽しめる。

ネットの紐を麻ひもに交換: この防虫ネットの紐は紫外線に弱く、使っているうちにブチブチと切れてしまう。そこで、あらかじめ紐を紫外線に強い麻ひもに交換しておくとよい。

紐を切って麻ひもにつなぎ、引っ張れば置き換わる。U型支柱がちょうどはまり、紐を替えたネットをかぶせて使う。

解説動画: 【家庭菜園】トウモロコシ栽培 背高防虫網トンネルの改良/日本農業新聞

概要(背高トンネル): スイートコーン栽培用の、背の高い防虫網トンネルの改良例。9mmのトンネル支柱(エコ素材)を使い、トウモロコシの背丈にちょうどよい高さで収まる。

花が咲いて花粉が落ちる時期でも、この網で蛾の侵入を防げる。

支柱の改良: 去年はダンポールをガムテープで巻き、直管支柱を渡して補強したが、ふにゃふにゃしてテープが外れてしまい不十分だった。

今年は買わずにある物で、同じくらいの太さの真っ直ぐな棒(トンネル支柱)をまたがせて交差させ、交点を針金(ブルーベリーの枝の誘引などに使うボサ用のアルミ針金)でくるくる巻いて結束。2箇所留めるとピンと張れる。

トンネルの上と端はパッカーで留める。これで去年よりずっと丈夫なトンネルになった。

支柱(資材)

つる性や背の高い作物を支え、誘引するための棒。 使い方:苗のわきに立て、茎をひもで8の字にゆるく結ぶ。

解説動画: 【神アイテム!エコ栽培】きゅうり・トマト栽培に最適な園芸ネット!支柱の立て方〜ネットの張り方までまるっと紹介/まるっと農業日記

支柱・ネットが必要な理由: きゅうりはつる性なので、支柱やネットに茎やつるを誘引すると倒れたり折れたりしない。立体的に育てると通気性が良くなり、整枝もしやすく、病害虫の予防にもつながる。

支柱のいらない地這い品種もあるが、茂った葉の中から実を探すのが大変で病気も伝染しやすいため、立てて育てる方が収穫しやすく効率的。

合掌式がおすすめ・スクリーン式の失敗: きゅうりに合う立て方は合掌式(三角屋根型)。過去に垂直の壁状にするスクリーン式を試したが、鳥が上に止まって真下の作物にフンが落ちてしまい良くなかった。

合掌式なら支柱の真下に作物が来ないので、この被害を避けられる。

用意するもの: 支柱・園芸紐・きゅうりネットの3つ。支柱は長さ2m10cmで、曲げて使うわけではないので100均のもので十分。

ネットは紙製のもので、絡まっても栽培後に畑へ置いて土をかければ1ヶ月ほどで分解でき片付けが楽。トマトや豆類、すいかにも使える。

うねは長さ3m×幅120cm×高さ10cm程度を用意。

立て方の手順: ステップ1、うねの両端に2本ずつ斜めに支柱を差し、うねの上でクロスさせる(合掌式)。株間は60cmだが支柱は50cm等間隔で、深さ30cmまで押し込んで強度を出す。

ステップ2、クロスした位置を一度縛って固定し、ネットを引っ掛けて端を結べば完成。プランターやベランダでもフェンスにネットを張れば同様にできる。

解説動画: 【家庭菜園】キュウリやゴーヤなどのツル野菜用の支柱とネットの建て方【棚支柱セットで初心者でも簡単らくらく】/Daisuke Miyazaki

使う資材(棚支柱セット): つる性野菜(きゅうり・にがうり・ツルムラサキ・スナップエンドウ等、すいかやメロンも)向けに、ホームセンターで買える「棚支柱セット」で合掌造り(三角屋根)の支柱にネットを張る。

セットには支柱・連結パイプ・園芸ネット・固定用パッカーが揃い、価格は2000〜3000円ほど。

支柱を立ててネットを張る手順: 支柱3本をうね幅(セットは91cmまで、マルチ幅に合わせる)に配置し、必ず30cm以上土に埋める。浅いと風や台風で倒れるので、特に耕して柔らかい畑では深く挿す。

上部に連結パイプを渡して三角屋根を作り、突起にネットを引っ掛けてパッカーで四隅→下部の順に固定。連結パイプを足せば360cmに延長も可能。

プランターでも可能: 大きなプランター(例: 幅65cm・深さ32.5cm・容量35L)や底面給水式なら畑でなくても栽培できる。

つる野菜は葉が多く水の消費が大きいので、土がたっぷり入り水を保てる大型の容器が向く。

セットがない・安く作る場合: 園芸支柱・連結用支柱・ネットを個別に買っても同じものが作れる。固定はパッカーがなければ紐で数か所結ぶ。

下部を留めずに放置するとつるが絡まず切れるので、下側の固定も意識する。

安く抑えるならダイソーの園芸支柱7本+ネット2つ+紐で約2100円(耐久性はやや劣る)。買い揃えが面倒・サイズ選びが不安ならセットが手軽。

解説動画: [Diagram] How to set up supports for your home vegetable garden and how to tie strings/科学的に楽しく自給自足ch

支柱の役割と選び方: 夏野菜は地這いだと病気になりやすく作業効率も悪いので、支柱を立ててつるを誘引する。支柱はイボ竹(イボがあり紐がずれにくい)や竹を使い、長さは身長に合わせて180cm程度が一般的。

最も簡単なのは1本挿しだが、固定点が1つだけなので横からの風にとても弱い。

三角形・トラス構造で強くする: 三角形は形が変わらないため非常に強い(トラス構造)。四角形は平行四辺形に崩れやすいので、途中に三角形を入れると強くなる。

最強は三脚(三角形の面が4つできる形)で、三脚どうしを棒でつなげば頑丈な支柱になる。長く高くなるほど横面にも三角形を追加して補強する。

仕立て方向と張力での補強: 上向きに閉じる三角形はつるが1点に集まり内側に光が入らず光合成のロスが大きい。外向きに広げる仕立ての方が光合成効率は良く農家も使うが、斜めで実がぶら下がると折れやすく倒れやすい。

そこで引っ張りに強く滑りにくいマイカ線を使い、杭を打って引っ張る「張力」で強度を補う。アーチパイプは疑似的な三角形で横向きには強いが前後に弱いため、筋交いパイプと紐で補強する。

紐の結び方の基本: 普通の紐は一度「殺す(かます)」と引っ張っても抜けない。マイカ線は摩擦が強いので軽く留めるだけでよい。

誘引で枝を締めたくないときは、結び目の位置で固定でき絶対に抜けない「男結び」が便利。2本の支柱を縛るときは、ぐるぐる巻くより2本の間の隙間をぐっと締め上げるのが要点。横に線を渡すときも一度殺すとずれない。

解説動画: 【家庭菜園】らせん支柱を使ってミニトマトの植え付け/ここさすの庭〜初心者からの家庭菜園記〜

ミニトマトにらせん支柱: ミニトマトは大きくなると風などで倒れやすいので支柱が必要。

一般的な緑の直管支柱ではなく、今回はねじれた「らせん(トマト用の回転しない)支柱」を使って植え付ける。

らせん支柱の利点: らせん状なので茎が支柱に沿って誘引されやすい。組み立ての手間がなく、成長に合わせて途中で茎を沿わせてあげるだけで支えになる。

解説動画: キュウリの支柱はこうしてやると簡単です!面倒なキュウリネットを使わない支柱の作り方(支柱立て〜肥料と水やり〜誘引)24/5/2/塚原農園

設置の時期と支柱: 植付け後2週間ほどは朝晩が寒いので肥料の空袋などで風・寒さよけをし、成長が早まる2週間目までに支柱を設置する。

使う支柱はダイソーの約2m・太さ18mm程度で十分。

3本の支柱を立てる: 株の端から約30cm開けて1本、株のど真ん中に1本、反対側も30cmで1本の計3本を、最低30cmの深さでしっかり挿す。

使い回した支柱は中が錆びて挿すときに折れることがあるので、必ず手袋をして顔を支柱から離す。

横に平テープを張る: 3本のてっぺんで平テープを2回片結びして横に這わせ(収穫終わりまで解かない)、胸・腰の高さにも同様に張る。平テープは支柱並みの強度があり竹で代用も可。

支柱が90°垂直を保つよう引っ張りすぎない。横紐はつるが掴まる場所になり、本数を増やすほど強度も上がる。

筋交い(紐+杭)で補強しネット不要に: 端の支柱の頭から斜めに紐を下ろし、うね中心から60cm外した位置に鉄の杭(硬い土は20cm・柔らかい土は40cm)を挿して結び、三角形を作って左右・反対側も同様に補強する。

ワンポールテントと同じ原理で、紐と杭を使えば3本の支柱でも丈夫になりきゅうりネットも不要。

誘引は葉6枚目あたりで指2本分の余裕を持たせて縛り、横紐の高さは芽かきの目印にもなる。

敷きわら(資材)

株元に敷くわら。乾燥・泥はね・泥はね由来の病気を防ぎ、保温にも。 使い方:株元や畝の表面に敷く。梅雨前に敷くと泥はねを抑えられる。

解説動画: 敷き藁を使って土づくりするなら注意!コレを知らないと病害虫の温床になる可能性もあるので使い方やコツを解説します【家庭菜園 土づくり ガーデニング 敷き藁】/隼斗の土づくり教室

敷きわらとは(概要): 稲わらや麦わらなど植物の残りを畑の表面や株元に敷いて覆うもの。ビニールなどのフィルムマルチと目的は近いが、フィルムが水も空気も通さず環境を完全にコントロールするのに対し、敷きわらは水を通し空気も抜け、光を少し弱めるだけ。

役割は環境の「極端を防ぐ」こと。急激な乾燥・高温・過湿といった振れ幅を小さくし、地表のストレスを柔らげる天然素材のマルチと言える。

春に敷く意味と主な効果: 夏の資材と思われがちだが、実は効果が最も分かれるのは春。春は昼夜の寒暖差・風・雨で土中環境が最もぶれ、急な温度変化が根の動きを止めやすい(地上部は元気でも地下は止まっていることがある)。敷きわらは昼の急な地温上昇と夜の冷え込みをクッションのように和らげ、乾燥と雨を繰り返す環境や泥ハネから、まだ浅い若い苗の根を守り、根が張るまでの時間を稼いで夏に備える。

主な効果は、(1)土からの蒸発を抑え急激な乾きを防いで吸水を担う細根を守る、(2)地温変化を緩やかにする、(3)地面に届く光を弱めて雑草の発芽を抑える、(4)泥ハネを防ぎ、泥に含まれる土壌の細菌が葉や茎について起こる病気(トマト・なすなどで効きやすい)を減らす、(5)時間が経って分解されると有機物が増えて微生物の餌になり団粒構造ができ、根が伸びやすい土になる(土づくり効果はシーズン後にじわじわ現れる)。

使い方と逆効果を防ぐ注意点: 敷きわらが病害虫の温床と言われることがあるが、原因はわら自体ではなく温度・湿度の管理不足。株元に密着させすぎたり厚く敷きすぎたり、常に過湿の状態だと蒸れて酸素不足になり、根腐れやナメクジ・ダンゴムシ・コバエの温床になる。

理想は通気させながら覆うこと。厚みは15cm以上だと通気が悪く、目安は5〜10cm(乾燥地はやや厚め、湿りやすい所は薄めと環境で調整)。株元は少し開ける。梅雨に厚く敷きすぎない。

敷きわらは1年中使え、春は地温上昇の抑制、梅雨は蒸れ・泥ハネ防止、夏は厚めに敷いて乾燥緩和、秋は土に戻すタイミング。敷きすぎ・湿らせすぎ・放置しないの3つを守れば失敗が減る。

すき込む時の窒素補給と代わりの資材: わらはC/N比が高く、生のまま土にすき込むと分解時に微生物が窒素を奪って窒素飢餓を起こしやすい。安全なのは表面に敷く使い方で、すき込むなら窒素補給か完熟堆肥と併用する。

カルス(カルスNC-R)で生の稲わらをすき込む場合の目安は1平米あたり稲わら1kg・カルス30g・米ぬか300g・窒素分20g程度(落ち葉と同じ考え方)。一方、敷きわらとして使い雨や地面ですでに分解が進んだわらをすき込む場合は窒素は不要で、カルスと米ぬかだけでよい。下葉が黄色くなるなど窒素欠乏が出たら追肥で対応する。

代わりの資材では麦わらが最も近く(空気を含み分解も稲と同程度、稲わらよりやや軽く水持ちは弱い)、もみ殻は軽く飛びやすいが通気改善・泥軽減向き、バークチップは長持ちするが密度が高く敷きすぎると通気を止めて逆効果になりやすい。落ち葉や竹チップなども利用できる。

解説動画: How to use straw to prevent vegetable diseases in the vegetable garden during the rainy season !/農園らいふ+(プラス)

梅雨の病気対策としての敷きわら: 梅雨で雨が多くなる時期は、泥はねによるうどんこ病・べと病・ウイルス病に注意が必要。テントなどを買わなくても敷きわらで対策できる。

稲や麦を乾燥させたもので、すでに切ってある切りわらタイプ、押し上げたそのままのタイプ、さらに細かくしたものがあり、泥はね対策ならどのタイプでも問題ない。デメリットは値段がやや高いこと。自然に還る資材。

種類と自分で作る方法: 手に入りにくい場合は、ポリエチレン製のわら風シートも代用でき、何度も再利用できるが自然には還らないので回収が必要。

自作もでき、麦やエンバクを摘み取って乾燥させる方法や、茎がしっかりしたイネ科の雑草を乾かす方法がある。1週間ほどで乾燥が進み、全体がわら色になったら使える。

病気を防ぐ仕組みと設置のコツ: うどんこ病・べと病・ウイルス病は、雨が土に当たって跳ね返り、泥が葉の裏に付着して発病する。マルチを張っていればある程度防げるが、マルチなしの人には敷きわら対策が特に重要。マルチを張っている人も株元の泥はね防止に役立つ。

設置は株元に敷くだけ。同じ方向でなく交差させて敷くと風で飛ばされにくい。風が強い場所ではUピンで固定し、マルチの上に敷く場合はUピンで止めやすい長めのわらがよい。

病気以外のメリット: 病気には直接関係しないが、真夏のマルチ表面の高温や植え穴から上がる熱を防ぎ、乾燥防止にも役立つ。

また発芽の促進効果があり、特に春から栽培するにんじんに効果が大きい。乾燥させたエンバクを使って発芽を補助すると、わらをかけた所は土が湿って芽が揃って出てくる。

解説動画: 【家庭菜園】ライ麦 敷きわらとして重宝(おまかせ菜園フクダ流)/日本農業新聞

ライ麦を敷きわらに使う: ライ麦は敷きわらとして重宝する。花が咲く前(出穂前)に刈り取り、畑の表面(地面)に敷いて使う。

つる性の作物がこのわらを掴んで伸びる足場にもなり、株が浮き上がらない。

刈り取りと保存: 麦秋の6月に穂が熟したら実を収穫し、その稈(茎)を刈って束ね、干して保存しておくと敷きわらとして使える。

解説動画: 家庭菜園や農園でこれがあれば安心!夏野菜に大活躍の藁の使い方4選【農園ライフ】/農園らいふ+(プラス)

わらの調達方法: わらは調達が難しく、ホームセンターで買うと割高(1束おおよそ780円で、まとめて買うと数千円かかる)。全面に使うと量が要るので、要所要所に使うのがよい。

ほかに、田舎の農家や友人からもらう、道の駅で買う(ホームセンターより比較的安い)方法がある。自分で作ることもでき、麦わらやエンバクを乾燥させて使う。真夏に使いたいなら今から作っておく。春の資材には間に合わないが、これからでも十分活用できる。

乾燥防止・防寒に(里芋・アスパラ・ニラ): さといもはもともと湿地帯で育つ作物で水分が多くないとうまく育たないため、根元にわらを敷いて乾燥を防ぐと育ちが良くなる。しょうがやみょうがにも良い。

アスパラガスやにらは早めに芽を出させるために設置する。特にアスパラガスはマルチを使わないので、冬場に根元へ直接わらを敷いておくと、防寒・雑草対策・乾燥防止になり、春に早く芽が出て収穫しやすくなる。

夏の高温対策と通路への活用(ナス・キュウリ・スイカ・ウリ): 夏場はマルチ内の土が高温になり野菜が辛くなるので、マルチの上にわらを敷くと小陰ができて地温が安定する。栽培初期は地温を上げたいので黒マルチ、その後は地温を落ち着かせたいのでわらを合わせて使うと有効。

すいかやかぼちゃは受粉後に実の下へ敷くと色よく仕上がる。ウリの通路部分に敷くと雑草が生えにくくなり、真夏の乾燥防止にもなって水やりの頻度を抑えられ、安定して栽培しやすくなる。

解説動画: 【敷きわら】園芸用敷きわら 初心者におススメ菜園造り 敷きわらは家庭菜園にも効果があります/HISHIFUKU製作所

敷きわらの効果: ホームセンターで買える園芸用の敷きわら。保湿・乾燥防止のほか、霜よけ・凍結防止、雑草の抑制に効果がある。

商品の中身: 一袋に長さ90cmほどのわらが約2kg入って500円ほど。

わらは不揃いだが敷きわらにするので問題なく、一袋で約1.5坪分とかなりの量が入っている。

過リン酸石灰(肥料)

リン酸を速く効かせる肥料。根張りや花・実つきを助ける。 使い方:元肥として土に混ぜる。リン酸不足のサインが出たら追肥にも。

解説動画: [Superphosphate] This actually helps those vegetables grow well! I'll talk about this extremely u.../楽農tech

過リン酸石灰とは: 過リン酸石灰はリン酸肥料の一種で、水溶性リン酸(製品により約16〜20%)に加えて、硫黄(いおう)とカルシウム(硫酸カルシウム)を含む。

多量・中量・微量要素をまとめて補える資材で、ホームセンターでは端の目立たない場所に置かれていることが多い。

3つの特長: (1)速効性:中のリン酸が水溶性なので、水ですぐ溶けて土壌に入り速く効く。

(2)pHを変えない:同じリン酸肥料でも溶リン(ようりん)はpHを上げてしまいじゃがいもなどに使いにくいが、過リン酸石灰はpHを動かさないため、石灰などでpH調整済みの畑にリン酸だけ足したい時に使える。

(3)硫黄とカルシウムを補給できる:微量要素の硫黄、中量要素のカルシウムも同時に補える。ただし量は多くないので、尻腐れ対策の主役として過度に期待はしない。

使い方のコツと注意: 効果の高い作物を見極めて使うのがポイント(汎用リン酸としてなら化成肥料でも代用できる)。

石灰資材とは混ぜない——リン酸と石灰のカルシウムが結合して作物が吸収できなくなるため、事前に石灰と混ぜて置くのは避ける。

またリン酸は土中で固定されて動きにくく残留しやすいので、過剰に注意。心配なら土壌診断・土壌分析で残量を確認するとよい。

向いている作物: 葉物野菜(レタス・キャベツ・こまつななど)は、リン酸で根を広く張らせて窒素の吸収を高め初期生育を良くできる。根菜・芋類(だいこん・じゃがいもなど)も、初期に根を伸ばして肥大させたい作物に有効。

夏野菜全般(トマト・なすなど)は元肥にリン酸を効かせて根張りを良くし、その後の生育を伸ばす。pHを上げないので、じゃがいものように酸性寄りを好む作物にも向く。

入手は大袋(15〜20kg)がホームセンターやネットで手に入る。

解説動画: Use different phosphate fertilizers depending on the stage of growth. Use superphosphate for youn.../じいちゃんの畑0402

生育ステージ別の使い分けでの位置づけ: リン酸は土中で鉄・アルミ・カルシウムと結合して固定化され、根から吸収されにくい。そこで水溶性で吸収されやすい過リン酸石灰を、苗の根張り(生育初期)に使う。

収穫が近づいたらリンカリへ切り替える、という使い分け。投稿者の到達点は「生育初期=過リン酸石灰、生育中=溶リン(ようりん)、収穫前=リンカリ」。

過リン酸石灰の性質: リン鉱石を硫酸で処理して水に溶けやすいリン酸にしたもので、水溶性なので根から吸収されやすい。カルシウム(石膏=硫酸カルシウム)を含むがpHには影響しないため、葉物の初期生育向き。

ただし水溶性ゆえ雨や水やりでリン酸が移動・流亡しやすく、効きが早く切れる(水溶性だから固定化されないわけではない点も注意)。

解説動画: The most important thing about onions is to stop fertilizing! Add superphosphate as the final fer.../じいちゃんの畑0402

玉ねぎの止め肥に選ぶ理由: 止め肥では窒素は増やしたくないが玉は太らせたい。リン酸は土中の金属と結合固定化されて吸収されにくいが、玉が太り始める前にリン酸を多めにしておくと、固定化されつつも吸収量が増え玉の肥大に効く。

そこで水溶性・速効性の過リン酸石灰を選んだ(リン酸肥料にはバットグアノもあるが、こちらは速く効く)。

性質と使い方: 名前に「石灰」とあるが実体は石膏(硫酸カルシウム)なのでpHには影響しない。化学的には酸性でも生理的には中性肥料で、連用しても土壌を酸性化しない。

多くの記事は元肥での使用を勧め、堆肥と混和すると固定化されにくい。リン酸が吸収されやすいので生育期間の短い作物や根の発達が悪い作物に特に良く、やりすぎても肥料焼けが起きにくい。

ただし水溶性・速効性ゆえ効果が切れるのも早い。

施用量と今回の使い方: 追肥なら1平米あたり約50g、マルチ栽培なので1穴約5gが目安。

日照不足・低温・窒素過多で育ちすぎたたまねぎでは、過リン酸石灰が窒素過剰のブレーキ役になって過剰な成長を抑えるとされる。

今回は育ちすぎの極早生玉ねぎの止め肥として、窒素を含まない過リン酸石灰を(ぼかしと合わせて)1つまみずつ穴に施用した。

解説動画: [For intermediate users] Deep dive into phosphate! We'll explain its main features and tips on ho.../農業と園芸の専門店・農業屋チャンネル

即効性リン酸として、堆肥と併用: リン酸肥料は主に3種類あり、過リン酸石灰は素早く効くタイプ。リン酸は土中の鉄・アルミと結合して効きにくくなるため、過リン酸石灰も堆肥とセットで施すと固定化を避けて効きやすくなる。

堆肥と組み合わせて使うのがおすすめ。

草木灰(肥料)

草や木を焼いた灰。カリ分とアルカリ分を含む。 使い方:追肥として株の周りにうすくまく。酸性土の調整にも少量。

解説動画: Use wood ash to control pests and increase yields when growing cucumbers in your home garden or f.../農家直伝!家庭菜園らいふ

概要(実つきが悪いキュウリへの対策): きゅうりが順調に茂っているのに、花が咲いても落ちてしまい実がつかない(実つきが悪い)ときの対策として、草木灰を使う方法を紹介する動画。

実つきが悪くなる原因は、温度差の激しさ、肥料の多寡(窒素過多だと葉ばかり茂って実がならない=つるぼけ)、病害虫の影響などがある。

順調に育っているのに実がつかない場合は、窒素は効いているのにリン酸が不足しているケースが多く、そこで草木灰が役立つ。

草木灰の成分と効果: 草木灰はリン酸を11%以上、カリを約4%含み、窒素はほとんど含まない。そのため窒素を増やさずにリン酸だけを補給でき、つるぼけを起こさずに花・実つきを改善できる。

あわせてアルカリ性なのでうどんこ病対策になり、燃えたような灰の匂いはウリハムシなどの虫が嫌うため虫よけにもなる。

使い方: 追肥の要領で、株元に10cmほど棒などを挿して穴(ポケット)をつくり、そこへ軽く一掴みの草木灰を入れて水をかける。虫よけ・病気予防には、そのまま葉の表面に振りかける。

トマトなど他の夏野菜にも有効で、トマトも樹勢が過剰になりやすいので草木灰が効く場合がある。

解説動画: Organic materials that can be used as fertilizer in home gardens and farms! Learn about the effec.../農園らいふ+(プラス)

概要(草木灰とは): 草木灰は植物の茎や葉を燃やしてできた肥料で、魚かす・米ぬか・コーヒーかすなどと同じ「特殊肥料」に分類される(普通肥料とは別扱い)。昔は農家が剪定枝を燃やして灰にして使っていたことから、草の字を当てて草木灰と呼ぶ。

種芋の切り口につけて腐敗・病気予防に使う用途が有名で、春・秋のじゃがいも植え付け時によく使われるが、土作りや追肥にも使える。今は野焼きが難しく自作は減っているが、ホームセンターで購入できる。

成分と効果: カルシウム約2%、リン酸3〜4%を含み、特に多いのがカリウムで5〜10%ほど。窒素はほぼ含まないので、他の肥料と組み合わせて使う。

主な効果は、(1)酸性土壌をゆっくりアルカリ性に傾ける(石灰と違い土が硬くなりにくい)、(2)カリで根張りが良くなる、(3)リン酸で花・実つきが良くなる、(4)灰の匂いで虫よけになる。

使い方(元肥・追肥・虫よけ): 元肥では、酸性土壌を土壌酸度計で確認し、中性に近づけたい場合に使う。牛ふん・鶏ふん・油かすなどに1平米あたり100cc程度を混ぜ込み投入する(他の肥料と混ぜてもよい)。

追肥では、なすなどこれから育てる作物に窒素肥料を減らして草木灰を混ぜて使い、カリ補給にも有効(生育過剰、葉が黄色くなる、斑点や褐色化が出たらカリ不足を疑う)。

虫よけは、葉の表面に灰がかかるようパラパラとこまめにかける。

芋類への利用と注意: 芋類はカリ不足だと太りが悪くなるため、芋が肥大する時期に草木灰でカリを補給すると、太りが良くなり味も甘くなる。

ただしマグネシウム・カルシウム・カリウムは互いに拮抗作用があり、カリを与えすぎると他の養分が吸えなくなって逆に症状が悪化するので、与えすぎには注意する。

解説動画: If used incorrectly, it can kill your crops. Here's how the pros use it! Weed ash is packed with .../楽農tech

概要(効果は高いが危険な資材): 木材・竹・草を燃やしてできた灰が草木灰。肥料効果が非常に高い反面、使い方を誤ると畑やプランターに混ぜた作物が急に枯れることがある、危険な資材でもある。

動画では成分と正しい使い方、どんな作物に使えるかを詳しく解説している。

成分(カリ・カルシウムと強アルカリ性): 最も多いのがカリウム(炭酸カリ・硫酸カリなど、水溶性で速効性が非常に高い)で、次いでカルシウム、さらにマグネシウム・リン酸・微量要素を含む。植物が根から吸って茎葉に蓄えたカリが、燃焼で有機物が飛んで濃縮されるため多くなる。

硫酸カリはpH中性だが、草木灰はカルシウム・カリの中身が炭酸塩などアルカリ寄りで強アルカリ性となり、硫酸カリより速効。イメージとしては「消石灰+カリ」に近い。

使うと枯れる理由: 草木灰で作物が調子を崩すのは、カリが多いからではなくpHが高いことが原因。強アルカリで土に入れるとpHが急上昇し、(1)土壌微生物・土壌昆虫が環境変化についていけず壊滅して土が痩せる、(2)リン酸が不溶化し、鉄・マンガンなどの微量要素も吸収されにくくなる。

カリの与えすぎも、マグネシウム欠乏、葉の硬化、窒素吸収阻害などを招く。自然由来でも濃縮されており、「安全」「多いほど効く」「どの作物にも使える」はすべて誤解。

使える作物・使えない作物: 向くのは果菜類(いちご・トマト・なす・すいか・メロン)と果樹(かき・みかん・ブドウ)で、カリは果実の糖度を高め品質を上げる。

どちらでもよいのはキャベツ・ブロッコリー・たまねぎなど。

使ってはいけないのは、酸性を好むほうれんそう・じゃがいも・ブルーベリー。ブルーベリーはpH4.5前後が最適で、逆効果になる。

使い方(追肥中心・少量・タイミング): 元肥より追肥向き。元肥だと土作りに時間がかかり、pH変動が激しく移植ショックや枯死のリスクがあるが、追肥ならある程度根が張った後で影響が小さく、カリも補給できる。

量は思っているより少なく、1株あたり耳かき1杯、1平米10〜20gで十分(それでpHが0.2〜0.5上がる)。新しい根が出る位置にパラパラとまき、葉物は15〜20cm、トマト・すいかは遠めに。樹木は握り拳1杯(20〜30g)を葉先の真下(根の先端付近)に。

雨の前後を避け、晴天続きに施用する。初めてなら5g→10gと少しずつ試す。施用後の水やりは効きすぎてダメージになるので行わない。

解説動画: 草木灰の使い方/自然農講座「さとやま農学校」すどう農園

概要(まき方): 農園の薪をたき火で燃やした灰をまく様子を紹介。灰だけだと軽くて風で飛び、まきにくいので、土を混ぜて少し重くしてからまいている。

アルカリ性への注意: 草木灰はアルカリ性なので、一度に一箇所へまきすぎない。特に野菜の苗を植えた直後の根元に急にたくさんかけると、土がアルカリに傾く。

日本の植物の多くはアルカリを好まず、根から有機酸を出して土中の養分を吸う働きが、アルカリが強いと弱められてしまう。

草木灰の中身と味への影響: 草木灰は、植物に含まれる鉄・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル成分が、炭水化物が燃やされたことで吸収されやすい形で残ったもの。人間と同様に植物にもミネラルが必要で、味にも影響する。

窒素・リン酸・カリ中心でミネラルの乏しい化学肥料に頼った野菜は、味が薄く水っぽくなりがち。

手に入らない場合の代替: 草木灰やたき火は今どき用意しにくいので、手に入らない場合は落ち葉・敷き草・青草をたっぷり使い、植物に含まれるミネラルを循環させるとよい。家庭から出る生ゴミコンポストも有効。

解説動画: 薪風呂の灰は畑に利用できますか?/ひろちゃん農園【公式切り抜き】

概要(薪の灰は畑に使えるか): 薪風呂の灰を畑に利用できるかという質問への回答。薪を燃やした灰はカリ分が多い。

野菜はそれほど多くのカリを必要としないので、土作りのときに薄くパラパラと入れて耕すのがよい。

使い方と注意: 灰はアルカリ成分だが、石灰の代わりになるほど強くはない。カリを好む根菜(土の中で大きくなる野菜)には多めでもよいが、それでも大量には必要ない。畝の脇にまいて、通り道に出る程度でよい。

じゃがいもには昔は灰を入れていたが、そうか病を考えると入れない方がよい。

鉢底石(土・用土)

鉢やプランターの底に敷く軽石。排水性と通気性を確保する。 使い方:底に2〜3cm敷いてから培養土を入れる。

解説動画: It's too late to ask now! How to put soil in a planter! How to put soil in a pot 🌸 [Flowers and G.../花農家ゆうきの園芸ガーデニングチャンネル

鉢底石を入れるかの判断: 鉢底石を入れるかどうかは、鉢底シート(鉢の底に敷くプラスチックのネット状のもの)の有無と置き場所で決めるとよいと説明している。

鉢底シートを敷くと土が鉢底の穴から落ちず、鉢底とプランターの間に空気と水がたまる層ができて、水がポタポタと抜けていく。この空間ができるおかげで、鉢底シートを使う鉢には基本的に鉢底石は入れなくてよいとしている。

鉢底石の役割: 鉢底石を入れる目的は、水分が鉢底に溜まって根腐れを起こすのを防ぐこと、つまり水はけをよくすることだと解説している。

テレビなどで「土を入れる前にまず鉢底石を入れましょう」と言われることが多いが、その狙いは排水性の確保なので、鉢底シートで水の抜け道が確保できていれば鉢底石は不要という考え方を示している。

入れたほうがよいケース: 逆に、コンクリートやプラスチックシートの上など、鉢の真下に水の逃げ場がない場所に直接置く場合は、鉢底石を入れて水はけを助けたほうがよいとしている。

ベンチや台の上など、鉢と地面の間に空間ができる置き方なら、鉢底シートや鉢底石がなくても水はけは問題ないと補足している。

解説動画: 1分で!鉢底石を簡単に分別してみた♪【園芸】/花ごころ園芸チャンネル

片付け時の分別が手間: 鉢の片付けで面倒なのが、土と鉢底石の分別だと指摘している。

鉢底土ネットで簡単分別: 鉢底土ネットを使って植えておけば、片付けのときはネットごと剥がすだけで済む。絡んだ根を取れば1分ほどで分別が完了する。

洗えば清潔になり、何度も繰り返し使えるので経済的だと紹介している。

解説動画: [DIY][家庭菜園]ネット入り鉢底石は100均で作れば十分【ネット入り鉢底石】【水切りゴミ袋】【三角コーナー】【植木鉢/プランター】/Dabusuku / ダブスク

鉢底石の役割と分別の手間: プランターや植木鉢では、鉢の底に鉢底石を詰めて排水性を高める。植えっぱなしなら問題ないが、家庭菜園で土をリサイクルする場合、収穫後に土を出して古い根などを取り除き、鉢底石も分別する必要があり、この作業が手間だと説明している。

市販のネット入り鉢底石は便利だが、それなりの値段がすると課題を挙げている。

100均素材で自作: そこで100均の水切りゴミ袋(三角コーナー用のネット袋)で鉢底石を包む方法を紹介している。ポリエチレン製で水に強く、28×25cmほどのサイズが100円で50枚入りだった。

袋の口は自分で縛る必要があるが、同じポリエチレン素材の紐で結んでいる。多少作りがチープでも破れれば替えがたくさんあり、黒い底板がない細長いプランターでも、このネット入り鉢底石を並べれば対応できるとしている。

使ってみた結果: だいこんを育てたプランターで、実際にネット入り鉢底石を使用している。収穫後に少し乾燥させてから土をひっくり返すと、3ヶ月経っていても問題なく回収でき、鉢底石を簡単に取り除けて助かるとのこと。

根が多く絡む野菜でも、いったん外で乾燥させれば取りやすく、最悪ネットが破れても替えは十分あると補足している。

解説動画: 【節約!】鉢底石をカンタン分別再利用する方法【簡単】/花ごころ園芸チャンネル

鉢底石は再利用できる: 2年植え替えていないバラの土を新しくしたい場面で、鉢底石が再利用できるかを紹介している。鉢底石をネット(鉢底土ネット)に入れて植えておくと、土から簡単に剥がせて、わずか1分ほどで分別できる。

土と直接混ざってしまうと分別が大変になると指摘している。

洗って繰り返し使える: 分別した鉢底石は水で洗えば泥もすぐ取れる。使っているネットは土が入り込みにくく破れにくい平織り構造なので、ネットごと再利用できる。

ネットのまま天日干しすればより清潔になり、中身だけ取り出すこともできる。あとは普段どおり鉢の底に入れるだけで鉢底石入れがあっという間に完了し、経済的にガーデニングを楽しめるとまとめている。