「なんとなくレーンを押して、なんとなく集団戦をして、気づいたら負けていた」。ソロランクで伸び悩む時期に、いちばん多いのがこのパターンです。上手い人の試合を眺めると、まるで見えない時計に合わせるように、同じ場所へ、同じ頃合いで人が集まってくる。あれは勘ではありません。Honor of Kings(オナーオブキングス)というゲームは、マップ上に時間で現れる強力な中立オブジェクト(この記事で言う「主目標」)を軸に、はっきりと"時計"で動いているからです。この記事では、その時計の読み方と、主目標を取りに行く前の準備、そして多くの人がやりがちな「無理して全滅する」負け筋を、ソロで勝率を上げたい人に向けて整理します。
なぜ主目標の奪い合いが勝敗を分けるのか
主目標というのは、倒すと経験値やゴールドがもらえるだけのモンスター、という話ではありません。マップには時間の経過とともに段階的に強くなる中立の強敵がいて、序盤に湧くのは小型ですが、後半に現れる大型(いわゆる「ダーク」系の強敵)を倒すと、陣営全体に強化がかかります。この強化を背負った状態こそが、集団戦を仕掛け、相手の陣地を攻め落とすための"起点"になる。つまり主目標は、それまでレーンやジャングルで少しずつ積み上げてきた有利を、タワーや本陣という「実際の勝ち」へ換金する場所なのです。有利なのに勝ちきれないチームは、たいていこの換金の機会を逃しています。
もうひとつ見逃せない性質があります。主目標には、両チームが同じ時間に同じ場所へ吸い寄せられる、という力があること。片方が欲しがるものは、もう片方も欲しがる。だから集団戦の多くは、主目標のまわりで起きます。ここで戦って負けると、失うのは目標そのものだけではありません。倒されたメンバーが復帰するまでのあいだに、相手は悠々と目標を取り、その強化を担いでこちらのタワーへ攻め込んでくる。一度の負けが「目標を渡す」と「陣地を割られる」の二重の損失に膨らむ。これが、主目標の奪い合いが勝敗に直結する理由です。
試合は“時計”で動く。節目はだいたい決まっている
上手い人が同じ頃合いに集まってこられるのは、主目標が現れる時間がだいたい決まっているからです。目安として、序盤の小型が4分ごろ、中盤に一段強い相手が10分ごろ、そして陣営を強化する後半の大型が20分ごろという具合に、試合が進むにつれて節目がやってきて、そのたびに中立の強敵が強くなっていく、とイメージしてください。あくまで目安であって、正確な出現・再出現の秒数や、倒したときにかかる強化の中身は版やモードで変わります。細かい数字はゲーム内やアプリで確認するのが確実です。
この節目のイメージを時間帯ごとに整理すると、次のようになります。時間はいずれも目安で、正確な秒数は版やモードで変わり得ます。
| 時間帯 | 目安の頃合い | 何が動くか | 狙う準備 |
|---|---|---|---|
| 序盤 | 4分ごろ(目安) | 小型の中立の強敵が湧く | 節目の少し前からレーンを整理し、陣形を寄せておく |
| 中盤 | 10分ごろ(目安) | 一段強い中立の相手が現れる | 次の目標から逆算して集まり、人数・視界・相手の位置を確認する |
| 後半 | 20分ごろ(目安) | 陣営を強化する大型(「ダーク」系の強敵)が現れる | 頭数を揃えてから取り、条件が揃わなければ潔く引く |
大事なのは秒数を暗記することではなく、この"リズム"で生活することです。節目の少し前からレーンの状況を整理し、次の目標に向けて陣形を寄せていく。つまり、湧く瞬間から逆算して動く。「そろそろ来るぞ」と全員が思えているチームは、いざ湧いた瞬間に人数で勝てます。反対に、時計を意識していないチームは、目標が湧いてから慌てて集まり始め、間に合わずに一枚欠けたまま戦うことになる。ソロランクで勝ち越すために最初に身につけたいのは、派手なコンボよりも、この「次の節目から逆算する」感覚です。
取りに行く前に、三つだけ確認する
主目標を安全に取れるかどうかは、殴り始める前にほとんど決まっています。手をつける前に、次の三つを確認する癖をつけてください。
まず人数です。4対5で始めれば、たいてい負けます。自軍のジャングラーやローマーが到着しているか、味方が近くのレーンから寄れる位置にいるかを見て、頭数が揃ってから手をつける。目標は逃げませんが、欠けた一枚はすぐには戻りません。
次に視界です。目標のまわりに味方の視界(ワード)を置いてから始めること。視界のないまま殴り始めるのは、暗闇で背中を見せて作業をするようなもので、相手はこちらが夢中になった瞬間を狙って包み込んできます。先に周囲を照らしておけば、寄ってくる相手が見えるので、無理だと分かった時点で引く、という判断ができる。
そして相手の位置です。画面上に相手が何人見えているかを数え、見えていない相手は「こちらへ向かっている」と考えるのが安全です。とくに相手のジャングラーの居場所には注意します。彼らは横取り(スティール)の手段を持っていることが多く、こちらが削りきる最後の一撃をさらっていける。逆に、相手が倒された直後やリコールで下がった隙は、こちらだけ人数が多い"窓"です。この窓を見つけて素早く取るのが、いちばん事故の少ない取り方になります。
どのヒーローがどの時間帯に強いか(序盤から圧をかけられるのか、それとも装備が揃う後半に輝くのか)は、目標を取りに行くタイミングの判断に直結します。自分や相手のヒーローの強み時期はオトモリンバオのヒーロー図鑑で立ち回りごとに確認できるので、「うちの編成は早い時間の目標を取りに行くべきか、それとも後半勝負か」を先に決めておくと、時計の読みがぶれません。
「無理して全滅する」。いちばん多い負け筋
主目標がらみで最も多い負け方は、条件が揃っていないのに欲しさだけで手を出して、まとめて倒されることです。人数は足りていない、視界もない、相手のジャングラーの位置も分からない。それでも「もったいない」と殴り始めてしまう。案の定、削っている最中に相手が四方から寄ってきて、目標に張り付いているせいで逃げ遅れ、気づけば5人全滅。しかも目標は横取りされている。相手はその強化を担いで、そのまま試合を畳みにくる。
ここで効いてくるのが、さきほどの「二重の損失」です。フェアな試合のなかで目標を一つ譲るのと、崩れた集団戦で目標を献上するのは、まるで意味が違います。後者は、相手に「試合を終わらせるためのエンジン」をこちらから手渡しているようなもの。だからこそ、取れない目標は潔く諦めるのも立派な判断です。無理な一体を追わない、削りかけの目標に未練を残さない、勝った集団戦のあとに深追いせず、本来取りたかった目標へきちんと戻る。この「引く勇気」が、じつは長い目で見ると主目標を最も多く拾わせてくれます。
自分の編成が早い時間の争いに強いのか、後半の大型で勝負するタイプなのかは、味方と相手のピックをオトモリンバオに登録すると編成バランスとして見えてきます。早い編成なら節目ごとに小競り合いを仕掛けて優位を広げ、遅い編成なら序盤の目標は無理に取りにいかず後半の大型へ照準を合わせる。このように、時計の読み方そのものを自分の編成に合わせて変えられるようになると、ソロでの安定感がぐっと増します。
まとめ:時計を読み、揃ってから取る
Honor of Kings は、なんとなくの殴り合いの積み重ねではなく、時間で動く"時計"のゲームです。マップには節目ごとに強くなる中立の主目標があり、後半の大型を倒せば陣営全体が強化されて、それが集団戦と攻城の起点になる。だからこそ、その奪い合いが勝敗を分けます。
やることは、そう多くありません。次の節目を逆算して先に集まり、殴り始める前に人数・視界・相手の位置の三つを確認する。そして、条件が揃っていなければ潔く引く。無理な一撃のために5人で全滅して、相手に勝ちの起点を献上しない。これだけで、明日からの試合の負け方は目に見えて減ります。自分の握るヒーローがどの時間帯に強いのか、編成として早く動くべきか後半に賭けるべきかを、まずはオトモリンバオのヒーロー図鑑で一度たしかめておくと、時計の針を読む目が一段はっきりするはずです。
注記:本記事は主目標をめぐる立ち回りの考え方を一般的な概念として整理したものです。中立オブジェクトの正確な出現・再出現時間や、倒したときにかかる強化の具体的な数値は、版・モード・シーズンで変わり得るため本文では断定していません。実際の数値はゲーム内で、各ヒーローの強み時期はアプリで確認してください。